愛をください。3 (ページ34)

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113.Feel sick ページ34

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ろくに眠っていない体で

仕事に出たって

集中力さえ続かない

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あくびばかりが零れて

その度に上司の白い目が

私を睨みつけていた

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……休んだ方がよかったのかも知れない

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こんな状態じゃ

給料泥棒だって言われたって

文句は言えない

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そして

ムカムカと胃にかかる圧迫感

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吐き気のような感覚が体を襲っていた

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薬を飲むといつもそう

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貧血の治療は目に見えないくせに

体の負担はそれなりに大きい

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だから嫌なのよ

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雅紀は飲めってうるさいけれど

気持ち悪くなるのは

私なんだから

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眠気と

そして優れない体調

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薬のおかげでそれに拍車をかけていた

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ムカムカムカムカ

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いつまでもそれが残る

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上司の目を盗んで向かった化粧室に人影はなく

胸を押さえたまま

個室へ入った

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込み上げるものを吐き出そうとしても

それは、つかえるばかりで

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洗面所に戻ると

心配顔した薫がそこに立っていた

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薫「大丈夫？Aが立つの見えたから……。調子、悪そうだし……。」

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A「ちょっと……寝てなくて……。」

薫「なんだ、寝不足？なになに、彼氏が寝かせてくんない……とか？」

A「………。」

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冗談混じりの薫の言葉に

返す余裕さえない

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鏡に映る

青白い自分の顔を眺めて

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大きくため息が落ちた

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