愛をください。3 (ページ29)

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108.Easy crazy ページ29

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裸のまま横たわる胸に

頭を乗せて

まだ熱の残された体を落ち着かせる

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感情なんてなにも持たなくても

こんな行為の出来てしまう自分に

失望してみたりして

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愛の言葉を交わすわけでもないのに

真似事で愛のあるふりをして

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今は

体だけでも繋ぎ止めないと

私の目的なんて

果たす事なんて出来ないから

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翔「Aはさ……何でこんな事してんの？」

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A「………え？」

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天井を見上げたまま

その視線は私を映すこともない

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A「あなたが欲しいから……って、言ったでしょ？」

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答えると

ふははっと笑って

体を半分起こした

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翔「そんなに好きなんだ？俺のこと。」

A「……そう、好きなの。案外疑り深いんだ？何度もそんな言葉、言わせないでよ。」

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自分の口が

まるで他人の口のように思えた

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思わせぶりな言葉さえ吐けば

それでいい

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抱きつくように胸に顔を埋めて

求めるように肌を密着させた

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髪を撫でる指先が

肩に

背中に

そして腰まで滑り

ぐっと引き寄せられる

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翔「A……気に入ったよ。」

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開かれた太ももを

また

手のひらが這う

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朦朧とする意識の中で

サイドテーブルに置かれた指輪を

目の端で見つめていた

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あんなもの一つで

夫婦である繋がりが持てるなんて

今の私には理解さえ出来ない

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目を閉じて

されるがままに体を預けて

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私は

また

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どこまでも墜ちていく

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