愛をください。3 (ページ27)

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106.Smell of the cigarette ページ27

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合わせた唇からは

生温かい舌先が入り込んで

煙草の味が

口の中に広がる

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それは

雅紀から感じるものとは

全く別のもので

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思わず胸を押して

唇を離した

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翔「……なに？何で逃げんの。」

A「逃げてなんて……。」

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翔「じゃあ、なに？」

A「……煙草の匂いが……。」

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翔「煙草？嫌いなの？」

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A「……そうじゃない、けど……。」

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言い訳にもならない言い訳

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雅紀と違うのなんて

最初から分かっている事なのに

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ひとつ呼吸を落とした彼が

私の腕を掴んで

ベッドへと連れて行く

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放り投げ出された体が

ふわふわのベッドに沈んで

ベッドサイドには

逃げ場をふさぐように

彼が立ちはだかる

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翔「Aはさ……俺のこと、好きなんでしょ？」

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A「………。」

翔「だから近づいて来たんじゃねーの？」

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A「………。」

翔「それとも、他に目的でもあんの？」

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緩めたネクタイが

スルリと外れて床に落ちた

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見下ろされると体が硬直して

動くこともできない

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A「なにも……目的なんてないから。」

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翔「ならさ、お互いイイ関係でいいでしょ？欲しいものだって、買ってやるっつってんだし。」

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ひとつ

ふたつ

胸のボタンが外れる度

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いやらしく彼の胸元が覗く

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