愛をください。3 (ページ23)

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102.Triangle system ページ23

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重い足を引きずって

薫と二人

あのカフェに向かう

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早くと急かす薫に引かれた腕が

やけに痛く感じた

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今日も来ると約束したのであれば

居ないはずなんて無い

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急な仕事でも入れば……とか

急に体調でも崩せば……とか

そんなことばかり期待して

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混んでる店内に視線を流して

彼の姿が無いことを願った

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薫「櫻井さんっ！」

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薫の黄色い声が

ざわつく店内に際立って聞こえる

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手首を掴まれたまま

彼の座るテーブルへと

引っ張られていく

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薫「こんにちは、櫻井さん！本当に来たんですね？」

翔「えぇ、昨日薫さんと約束しましたから。
どうぞ、座って下さい。二人のために空けておいたんですから。」

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緩やかに笑う彼は

あの時とはまるで別人

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何の躊躇もなく席に座る薫の隣に

腕を引かれ渋々ながら座った

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薫「櫻井さん、覚えてますよね？彼女、あの日ぶつかって倒れた……。」

A「薫っ！」

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翔「えぇ、ちゃんと覚えてますよ？出会いが衝撃的でしたから。」

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「ははは…。」と笑いながら話す彼の顔も見れずにいて

いつ、何を言われるのかと

そればかりが気になっていた

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翔「Aさん？どうかしましたか？」

A「……え？」

翔「ずっと、うつむいたままで……。」

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A「……いえ……何も……。」

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薫「櫻井さん、Aの名前、聞いてたんですか？」

翔「……えぇ、うろ覚えでしたけど……確かそんな名前だったな……と。」

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薫「へ～～～。Aってば、何も言わないから。」

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チラリと薫の視線を感じて

ドクンと心臓が打ちつける

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