愛をください。2 (ページ37)

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77.確信犯ページ37

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『もしもし？』

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A「………え？」

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長いコールの後に

耳に届いたのは

明らかに女の声

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『どうしたの？Aさん。翔くんに、まだなにか用？』

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A「………美和……？」

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電話の声は

敵意さえも感じる美和の声

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A「今、櫻井さんは……？」

美和『翔くんならまだ仕事だけど。Aさんみたいなお気楽なＯＬと違うから。』

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あえて

神経を逆なでする言葉を選んでいるのか

美和の口調は

攻撃的としか思えない

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美和『そうだ、Aさん？』

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A「……なに？」

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美和『今度、旦那様と一緒に食事でもいかが？』

A「食事？」

美和『そう、うちの旦那様と4人で。楽しいと……思わない？』

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クスクスと携帯からは美和の笑い声が聞こえる

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確信犯的

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それ以外に

考えることなんて出来ない

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美和

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やっぱりあなたが許せない

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一度は怯んだけど

あなたの旦那様

絶対に私に向かせてあげる

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体だけじゃなく

心も

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じゃなきゃ

この気持ちが治まらない

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汚いのは

自分で分かってる

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それよりも

憎しみの方が

はるかに

勝る

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美和『翔くんに、用がないなら無駄に電話なんてしてこないでね？彼、私のものなんだから。』

A「………っ！」

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上からのモノ言いに

思わず言葉を詰まらせた

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私の知ってる美和は

地味で

口下手で

陰湿で

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それが

整形ひとつでここまで変えてしまえるなんてね

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