愛をください。2 (ページ26)

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66.変わらない風景ページ26

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A「ただいま……。」

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母「あら、お帰り！珍しいわね、Aが帰ってくるなんて。」

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それほど遠くに住んでるわけでもないのに

数ヶ月ぶりに家に帰った

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雅紀と暮らし初めてから

二人の生活が大切に思えて

自分の家族とさえ

疎遠になっていた

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久しぶりの我が家は

どんなに心が荒んでいても

どんなに汚れた私でも

温かく迎えてくれる

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母「A、ご飯食べたの？」

A「……うん……まだ。なんか、食べるのある？」

母「残りモンだけどね？Aが食べる分ぐらいならあるよ！」

A「……うん……。」

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私が帰ってきたことに

母が顔をほころばせて

甲斐甲斐しく世話を焼きたがるのは

いつも嬉しいなって思う

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潤「あれ、帰ってたんだ？」

A「……うん。」

潤「珍しいな？」

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着替えを抱えた潤が

私を通り過ぎて浴室へ向かう

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私がいてもいなくても

そんなことにはまるで無関心

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母「どうしたの？急に帰ってきたりして。
連絡くれたら、もっと美味しいものでも作っておいたのに。」

A「うん、なんとなく？どうしてるかなって思って……。」

母「お母さんのこと、心配してくれんの？」

A「潤も。」

母「みんな相変わらずよ？」

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テーブルに並ぶお皿をつつきながら

正面に座る母と話す

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この家を出たときから

何も変わらない風景

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変わったのは

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私だけ

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