愛をください。2 (ページ22)

今日:7 hit、昨日:35 hit、合計:216,327 hit

62.男の顔ページ22

.

.

前を向いたまま

私を見ようともしない彼の目は

優しい旦那様から

一人の男の顔へと変化していた

.

.

.

大通りを抜けた車は

裏道へと滑り込み

人気のない公園の駐車場で停まる

.

.

翔「どうしますか？ホテルでも行きますか？」

.

A「任せます……よ？」

.

.

.

さっきまでの人の良さそうな笑顔は

その笑みさえ消えていて

彼の伸びてきた指先が

撫でるように髪に触れた

.

.

翔「そう？じゃあ、ココでもいいってこと？」

.

.

既に陽の落ちた駐車場は

通りすがる車さえ見当たらない

.

ライトを落とせば

外灯の他は暗闇が広がっているだけ

.

.

.

A「あなたがここでいいならね？」

.

.

答えると

髪に触れた指先が

静かに胸元へと滑る

.

.

翔「ホテルだとさ……カードからアシが着く可能性もあるんだよね……。」

.

A「そう、かもね……。」

.

.

中途半端に乗り上げたその体に

誘うように首に腕を回した

.

.

指先が器用にボタンを外す

.

.

翔「脱がせるために買ったみたいだね？これ。」

.

.

淡いピンク色のブラウスは

ボタンが外れる度

サラリと肌を滑る

.

.

開かれた胸元に

彼の唇が触れた

.

.

体中が青ざめる

.

.

指先が意志とは関係なく

冷たく震えた

.

.