愛をください。2 (ページ20)

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60.可愛い女ページ20

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A「うらやましいな。わたしは……可愛い女には程遠いから。」

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翔「そんなこと無いですよ？」

A「男の人は大概、可愛い人を好みますから。」

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翔「………。」

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可愛い女

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甘える女

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守ってあげたいような女

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そんな女の方が

男の気持ちをくすぐる

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翔「Aさんだって充分、可愛らしいですよ？」

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チラリと運転する視線を

私に流して

また戻す

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A「わたし……？嬉しいな……初めてですよ？そんなこと言われたの。」

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翔「そんなこと、無いでしょう？」

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翔「あのぶつかった日も、実はAさんを見てぼんやりしてました。」

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前方の赤信号に

緩やかに車が停止する

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翔「煙草、吸ってもいいですか？」

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A「え？どうぞ？」

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翔「余計なこと、言うんじゃなかったな……。」

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ポツリ呟いて

胸元から出した煙草に火を点けた

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信号待ちの間も

彼は私を見ようともしない

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音の無い車内には

少しだけ二人の間に緊張感を走らせていた

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白い煙が

ゆらりとウィンドウに

吸い込まれる

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A「美和よりも先に、翔さんに出会いたかったな……。」

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翔「え………？」

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言葉に驚いて

反射的に私に顔を向けた

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A「ねぇ？翔さん？言ってる意味、分かりますよねぇ……？」

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彼の膝に手を伸ばして

太ももまでそれを滑らせた

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その手を

先に進ませないように

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止めるように彼の手が重なる

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