愛をください。2 (ページ16)

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56.隠れた意思ページ16

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翔「あの！Aさん？腕……。」

A「ダメ、ですか？これぐらいは普通ですよね？」

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翔「………でも僕、結婚してますから。」

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絡めた腕を引き離して

私の肩にポンと手を置いた

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翔「男に気軽にこんなこと、しない方がいいですよ？」

A「え？」

翔「勘違いの原因になりますから。」

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そう言って

困ったような笑顔を見せた

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まるで

何も知らない子供に言いつけるような

そんな目をして

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A「翔さんみたいな旦那様がいて、美和がうらやましいです。」

翔「……そんなこと、ないですよ。」

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A「だって、勘違いさせるような女が近づいても……勘違いしないんでしょう？」

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浮気のしない男なんて

希少すぎるほど希少

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ただ

そんな男は

浮気と本気の境界線が

自分で区別が出来なくなることも

よく知ってる

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A「これなんてどうですか？」

翔「あ～～～なかなかステキですね？」

A「女の人って冷え症、多いから。
これだと、膝掛けとして家でも使えそうじゃないですか？」

翔「やはり、女性の目線だと違いますね？
でも、美和は……こっちの色の方が好みそうだなぁ……。」

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いい加減に選んだショール

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それにさえも彼は

気遣った返事を返す

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美和へのプレゼントなんて

私にとってはどうでもいいものなのに

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A「じゃあ、こっちに決めようかな？」

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彼の指差したショールを手にして

レジへ向かう

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