愛をください。2 (ページ13)

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53.不機嫌の理由ページ13

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雅紀「今日の不機嫌の原因は彼女？」

A「………。」

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雅紀「Aを慕ってただけでしょう？」

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A「でも、悔しいの……。」

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美和の何もかもが

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私より勝っている

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そう言われた気がした

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したたかに生きてきた分

無邪気でこられると

ダメージが必要以上に大きい気がした

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旦那様……なんて

結婚してないのを知ってて

わざと言ったとしか思えない

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寝転んだ雅紀の上に覆い被さって

唇を寄せる

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目を閉じることも無く

その目は哀れむように私を捉えていた

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A「目ぐらい閉じてよ？」

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雅紀「いいでしょ、別に。」

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雅紀の態度は

こんな時でも相変わらずで

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力の抜けた唇に

強引に自分の唇を合わせた

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どんなに間近くても

その視線が逸らされることはなくて

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哀れむ目に堪えきれず

自分から唇を離した

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雅紀「どうしたの？続けないの？」

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A「………っ！」

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何をしても、表情さえ変わらない

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そんな雅紀から体を起こして

顔を背けた

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