愛をください。2 (ページ1)

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41.虚しさページ1

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もやもやとした気持ちを抱えたまま

雅紀のいるであろう部屋に戻る

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A「ただいま……。」

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呟いても返事さえも無い部屋は

待ってくれてる期待さえも裏切ってくれていた

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いない……か

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薄暗くなり始めた部屋は

淋しさだけが迎えてくれる

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手にした紙袋をソファの上に放ると

チラリと赤いリボンの箱が

袋から顔を出す

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虚しい

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こんなの手に入れたぐらいで

手玉に取った気になって

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虚しい

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美和にさえ会わなかったら

こんな思いはしなかったのに

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綺麗に包まれた紙を無造作に破って

それをキッチンのゴミ箱に捨てた

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雅紀の目にはつかない場所

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そんなことばかり考えていた

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……なに？

これ………？

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ミネラルウォーターを出そうと

開けた冷蔵庫の奥に見つけた

小さな白い箱

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それは明らかにケーキのソレだと分かる

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なんで、ケーキなんか……

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箱を覗くとデコレーションされた真っ白なケーキ

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私も雅紀も誕生日でもないのに

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気まぐれで買っただけかも知れない

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出かけた先で見つけて

買っただけかも知れない

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それ以外、思いつかない

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