愛をください。 (ページ9)

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9.『Each other』-2 ページ9

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A『相葉……さん？』

雅紀『相葉さんって！雅紀でいいよ？つーか、さっきまでそう呼んでたでしょう？』

A『……そうだけど……。』

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困惑する私に

クククッとイタズラっ子みたいな顔を見せて彼は笑う

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雅紀『なに？どうしたの？』

A『……次も、また……会ってくれる？』

雅紀『あ～～～どうだろう？俺さ……。』

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彼が何かを言いかけたとき

聞き慣れない携帯の着信が鳴って

脱ぎ捨てたままの彼のズボンのポケットから

音の根源を取り出した

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雅紀『ごめんね？話してる途中に……。』

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一言だけ、私に告げて

その電話に出た

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雅紀『あ～～～、今ね？二次会でさ……ちょうどトイレに立ったんだよ……。』

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彼の電話の向こうには

微かな女の声が聞こえていて

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彼のはにかんだ笑顔は

目の前に居るわけでもないのに

その女に笑いかけてるように見えた

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雅紀『大丈夫だって！んな、飲み過ぎてねぇから。じゃあ、帰ったら電話するから。』

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電話を切った後

ひとつため息を落として

私に視線を流す

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雅紀『………っと、まぁ……こんな感じ？俺、カノジョいるんだわ……。』

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例え

彼に彼女がいても

そんなのは関係なくて

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人のモノだと思うだけで

彼を欲しいと思う気持ちが

より一層、強くなっていた

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A『いいよ？それでも。』

雅紀『………え？』

A『カノジョがいてもいい……って言ったの。』

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一瞬驚いた顔を見せた後

『そう。』と小さく呟いて

唇を緩めた

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またその体が覆い被さる

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