愛をください。 (ページ8)

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8.『Each other』-1 ページ8

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A『相葉さん、これからどっか行きませんか？』

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あの日、雅紀に声をかけたのは私の方だった

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友人の結婚式に呼ばれて

式場で見つけた彼

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細身の体に黒いスーツがやけに映えて見えて

あんなの、連れて歩けたら……

なんて

男の人をアクセサリーと同じ感覚で手に入れたいと思っていた

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彼を

欲しいと思った

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見た目だけじゃない

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柔らかな物腰や

話し方

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少し話しただけなのに

もっと、彼の隣に居れたなら

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さっき会ったばかりの彼に

そんな思いを抱いていた

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結婚式の二次会を抜け出して

ふたり

夜の繁華街を歩く

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腕を絡めてみても

そのまま受け入れてくれて

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体を寄せてみるても

さりげなく腰に手を回す

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一夜だけでも関係が欲しくて

裏道で見つけたホテルに誘ったのは

私の方だったかも知れない

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雅紀『Aさん、いつもこんなコトしてんの？』

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彼は裸のままベッドに腰をかけて

煙草の煙をくゆらせる

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A『違うよ……。ちょっとカッコいいなって思ったから、誘ってみただけ。』

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雅紀『……そう？俺も、綺麗な人だなって思ったから、誘いに乗ってみただけ。』

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……なんだ

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最初からお互い

そのつもりだったんだ

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それに気付くとクスクスと笑いが込み上げて

もしかしたら一夜限りじゃなく

その先もあるんじゃないかって、期待さえ生まれる

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