愛をください。 (ページ25)

今日:14 hit、昨日:12 hit、合計:343,893 hit

25.Expectation ページ25

.

.

翔『汚した服の件……なんですけど……。』

A「……はい。」

翔『今週末……なんて、大丈夫ですか？』

.

A「終末……夜、ですか？」

翔『いえ、昼間の方がいいですよね？よく知りもしない男と出かけるなんて、
明るい時間の方が不安が少ないでしょう？』

.

A「不安……だなんて、そんなの……。」

.

.

.

不安よりも

むしろ、期待

.

.

少しだけ甘えたふりして

欲しいものでも買ってもらえたら

それでオシマイ

.

.

.

お金と、時間があるのなら

ほんの少しだけ

それを私にちょうだい？

.

.

.

.

.

翔『じゃあ、この前のカフェに1時に待ち合わせましょう。』

.

A「分かりました。じゃあ、週末に。」

.

.

.

プツリと電話が切れると

大きくため息が零れた

.

じっと目を閉じて、電話の内容を思い出す

.

.

物欲しそうにしてた言葉なんて

何もなかったはずだけど

.

印象の悪いまま会ったりしたら

欲しい洋服だって

手に入らないかも知れないから

.

.

.

.

薫「A？」

.

背中に呼ばれた声に、驚いて振り返った

.

薫「どうしたの、そんな顔して？」

A「何でもない……からっ！」

薫「カレシ、何だって？」

A「うん……今日、遅くなるからって……連絡くれただけ。」

薫「そうなんだ？なかなか戻ってこないから……。」

.

A「ごめん、ごめんっ！ちょっと、話が弾んじゃってっ！」

薫「ふ～～～ん？いいなぁ、カレシ持ちはっ！」

A「ほらっ！薫だって、今にイイ人が現れるって！」

.

薫「早く会いたいよ～～～、昨日のあの人にっ！！」

.

.

.

イタズラっぽく舌を出した薫の

冗談なのか本気なのか分からない言葉

.

.

A「…………早く、会えるといいね？」

.

.

.

そう、心にも無いこと

笑顔で口にしていた

.