愛をください。 (ページ23)

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23.Relief ページ23

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薫「ねぇ、A！今日も昨日のカフェ、行ってみようよ？」

A「……え？」

薫「また、あの人が居るかも知れないでしょ？」

A「………。」

薫「見つけたら、ガンガン攻めてみようかな～～～？」

A「………。」

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お昼休みの薫の提案に

ノーと答えることが出来なかった

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そう答えることで

昨日の電話の内容が

不自然に思えるんじないかって

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そんな思いが一瞬にして巡った

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まさか、また居るなんてことは無い

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そう思っていても

もしかしたらあの人が居て

声でもかけられたら……？

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先に出会ったのは私なのに

薫とも繋がりが出来たら……？

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訳の分からない独占欲がまた顔を出す

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他人が欲しがっているのを見ると

自分も欲しいような気がしてきて

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一つしか無いオモチャを

別の誰かに取られてしまうような……

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そんな気分でいた

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薫に急かされて

お昼休みにまた、昨日のカフェに連れ出される

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ランチタイムの店内はそれなりに混雑していて

空いている席と

そして

密かに彼の姿を探す

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もし、見つけたら……？

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知らんぷりするしかないと思った

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もし、薫が声をかけたら……？

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シラを切り通すしか無いと思った

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キョロキョロと店内を探す薫の正面で

冷たくなった指先をぎゅっと握りしめた

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A「居ない……みたいだね？」

薫「そうだね～～～、期待してたのに残念～～～っ！
イイ男、見つけたと思ってたのにな～～！」

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何度も見回して、その姿が無いことに安心した

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時間とお金の自由になる男

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そんなの

薫には知られたくない

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知られたら絶対に

薫は私からあの人を奪っていく

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