【歌い手】転入した先が狼だらけの男子高とか聞いてない

狼 が 二 匹 ページ2

「…………此処…？」


雑に地図が書いてあるノートの切れ端を片手に、そう呟いたのは近所の人が寝静まっている程の早朝。

まだ朝日も完全に登りきっていない。


そんな早朝に、何故外に出ているかは私が今日、目の前の綺麗な校舎に転入して来たからである。

転入するには色々資料やらパンフレットやらを貰わなきゃいけないらしく、こんな早朝に学校まで足を運んだのだ。


それにしても地図が雑すぎて読むのに苦労した。

お母さん許すまじ。


ノートの切れ端に書いてある地図を見てそんなことを考えながら校門を通った。






＊＊＊






＞コンコン

「失礼します。今日転入してきた三好です」


昇降口の鍵は開いていなく、職員玄関から職員室に向かえば扉をノックしてそう言った。


「あぁ、三好さんか。ごめんなさいね、こんな朝早くに」

「いえいえ。これも此処の学校で楽しく過ごすためだと思えばどうってことありませんよ」


謝罪をされたのでできる限り笑顔でそう答えれば、「まぁ！偉い子っ」なんて言われたので、あくまで心の中でだが「私は小学生か」ってつっこんでみたり。


「じゃあ、ちょっと私の部屋でお話しましょうか」


そう言われて返事をし、ついて行った先は校長室。


(この人校長先生だったんだ………)


見えないなぁ…(笑)


「じゃあまず、制服の話なんだけど＿」






＊＊＊






「お疲れ様、長くなってごめんね。もうすぐで授業始まると思うから、チャイムが鳴ったら2-Dに向かってちょうだい」

校長室に来てから一時間後。

一時間、この学校のことについて色々説明してもらい、校内の構造は自分の学年の階と何棟かだけ、なんとなく理解した。


校長室はA棟
基本、生徒が居るのはB棟
移動教室等があるのはC棟
空き教室や生徒指導室があるのはD棟

D棟は基本、生徒や先生すら行かないだとか何とか。

それで二年生はB棟の二階らしい。

三階が三年生、一階が一年生らしい。


そんなことを思い出しているとよくある学校のチャイムが鳴った為、校長室を後にした。

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