ただの高校教師【呪術廻戦】

教師 ページ48

色々手直しした
.

「なんですかその痛々しいやつ」

「僕命名なんだけどこれ」

「クソだせえ」

サイテー！と嘘泣きをキメる五条さんをスルーして術式の説明を求める。ただこの人は配慮も遠慮もないからやってみた方が早い！とか言う。

「やってみた方が早い！」

「絶対言うと思った」

なら早速、と五条先生が目の前にたってにこりと笑う。目隠ししててもうるさいなこの人の顔。とりあえず呪力を使って殴っておいでと言われるので何となく拳に力を入れる。訓練中も思ってたけど呪力が体内を巡る感覚が気持ち悪いな、なんかかゆいな〜と思ったら虫が腕を歩いてたみたいなそんな感覚。いや！自分から言ったけど思い出させないで！！

ヤケになって脚に力を入れて1歩踏み出す。最近ついに対人に慣れてきて俺の中の真希さんに「や、やるじゃん……」って言って貰えたことを思い出して(幻覚)気合を入れて拳をふりかぶる。視界の端に黒い何かが見えた気がして、そのまま振り被れば、ガンッと音がして攻撃が弾かれた。知ってた。俺の中の真希さんは呆れて消えてった。待っていかないで！！

「チート過ぎて立ち向かう気にも慣れない」

「さっきまで勢いどこに行ったの？それよりほら、手見てみてよ」

「はい？手がどうした……あれ？なんかすげえ邪悪が物質化したみたいなものが俺の手にあるんですけど」

右手の掌に黒い靄がかかってそこから赤黒い何かがうねうねしている。よく見れば顔があるようにも見えるそれを見ればこちらに気づいたかのように体の周りをふよふよと回り始める。え、やだ意思があるこの子……こんな子飼った覚えないんだけど。でも心当たりはアホほどある。

「その冷静さいっそ羨ましいね。それがAに憑拠してる呪い。呪いだけ見ると1級相当って所かな」

「なるほど、つまり？」

「使いこなせるようになったら1級は堅い！おめでとう、その時は僕直々に推薦してあげるよ」

「全然嬉しくないですね」

「給料めちゃくちゃ上がるよ」

「やる気出てきた」

チョロすぎるという五条さんの有難くないお言葉を頂いて中指を立てつつ、暫く木刀の使い方と体術を診てもらって一息つく。そろそろ他の生徒も訓練に来る頃だろうという所でそろそろ任務だ、と切り上げられる。この人本当にダメ出しに遠慮がないが嫌なんだが。教育委員会に言うぞ。

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