ただの高校教師【呪術廻戦】

教師 ページ22

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「自販機もうちょい増やしてくんないかしら」

ガコン、と落ちてきた缶ジュースを取り出す釘崎が呟く。現在俺と釘崎と恵君で高専の数少ない自販機の前でたむろしてる。いやサボってる訳じゃない。2人で充分なお使いに言い訳つけてついて行ったのはマジでサボりとかではない。

それより朝から気になってたんだけど、釘崎の指定の服は？ダサいから服買った？なるほどジャージ可愛いね。
どうでもいい会話をしながら釘崎の持っているジュースを受け取る。着いてきたのは俺なんだし荷物持ちくらいはしますとも。ついでに廊下の向こうから歩いてくる2人に目を向ける。釘崎と恵君も気づいたのかそちらを向くが、何やら恵君の顔がいつも以上に険しい。君いつも眉間にしわ寄せてるよね。

「恵君の知り合い？」

「知り合いみたいな所か。なんで東京いるんすか禪院先輩」

聞いたことある苗字だなあと釘崎も思ったのか口をだす。目の前の女性…めちゃくちゃスタイルいいなあと服えっちい、とか思いつつ話を聞いていれば真依さんと言うらしい。完全に姉妹じゃないか。

「コイツらが乙骨と三年の代打…ね」

「え、代打って何のこと？」

「A、真希さんから聞いてないの？」

「うん、多分聞いてないね」

めちゃくちゃムキムキのお兄さんのセリフに首を傾げれば釘崎が姉妹交流会ってのがあると教えてくれる。二人分の代打らしいから俺には関係ないのか。まあまともに戦えねーしな。

俺への説明が終わったのを見計らって真依さんが話し出す。

「アナタ達が心配で学長に付いてきちゃった。同級生が死んだんでしょう？辛かった？」

ニヤニヤと言い出す彼女の顔はどこかで見たことがあるような悪意ある顔……思い出した！俺が教師なりたての新人の時に何かと難癖をつけて残業を押し付けてきた女教頭の顔にそっくりじゃないか。
これは行けない、きっと気分のいいものじゃないなと咄嗟に釘崎の耳を塞ぐ。済まない、恵君は自分で耳を塞いでくれ。俺の腕は二つしかない。

「器なんて聞こえはいいけど要は半分呪いの化け物でしょ、そんな穢らわしい人外が隣で不躾に“呪術師”を名乗って虫酸が走っていたのよね？」

とんでもない事言ってるな、と恐る恐る恵君の顔を見れば完全に目が据わってた。すまねえ、守ってやれなくて…でも落ち着いていて…喧嘩はしないでくれ。

ふと腕をぺちぺちと釘崎に叩かれてることに気づいて、もういいかと手を離した。

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