1話 ページ1
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朝、枕元に置いたスマホの通知音で目が覚める。未だ眠っている脳を何とか動かしてスマホを手に取れば松川、と書かれた見慣れた人からの通知だった。
『おはよ、今日家来れる?』
そう送られてきて勢い良く起き上がる。
松川は私の幼馴染みで家も近所で親も仲がいい、所謂家族ぐるみで関わりがある奴で家に行くのもよくあったのだが問題はそこじゃない。
「今日……松川の家」
家族には言っていないが、松川は私の彼氏だ。彼氏、と言っても日常は今までとあんまり変わったことは無いのだが、付き合ってから家に行くのは初めてでどうにも緊張する。
とりあえず返信、と時間を確認すればスマホの表示は9時を回ったところで、慌てて『昼過ぎに行く』と手短に送った。
「母さん!松川の家行ってくる!」
「あらそうなの?じゃ一静くんによろしく頼むね〜」
「はいよ!」
適当に組み合わせた服とスニーカーを履いて勢いよく扉を開けて松川の家へと急ぐ。
少し歩いた所にある松川の家の目の前に立って、インターホンを押そうとするがなんだか緊張してその場で固まってしまう。
早くしなきゃ変に思われるかなと何とか押せば聞きなれたインターホンの音が響いて数秒後、プツリと音がすれば
『ん、あいてる』
と聞き慣れた声が届いて、はーいと扉を開けた。
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作者名:あホッピー( ̄^ ̄ゞ | 作成日時:2019年11月1日 21時