喜劇(悲劇) (*) ページ5
__だが
向こうにあった絡まった茂みの奥から、音が聞こえた。
魔獣か? こちらに来るのなら食のために応戦しなければ。
音の元を探る。
すると茶色にあせた茂みの奥に、あきらか上質そうな洋服と、幼児の髪質の美しい金髪が目に入った。
魔界の血をまいたような空を反射した、金の髪を顔の左側に降ろし、うさぎのような可愛らしい赤い目をした幼子が立っていた。
……白ワイシャツに負けなさそうな玉の肌。……半ズボンから肩に伸ばされた黒を集めたショルダーベルト。
……スラリと出した長い白の脚。
言わずもがな分かる、将来有望過ぎる顔面偏差値。
___その場を飾ってしまう容色。
思わず思考回路が停電した。
え? なんでここに(美)幼児がいるの? てか可愛すぎだろ。いやいや何者この幼児??
あ、赤の目が驚いてこぼれ落ちそう(ひゆ)になってる…………
ふむ。
とりあえず幼児が困っているのなら大人は黙って手を貸すのみ!
少し警戒を滲ませているけど寄り添うに越したことはない!なんとかコンタクトを取らなければ。
細かく見てみる。
服装からして恐らくどこかの上級貴族だろう。捨てられた線はなさそうだ。ならば迷子か。一旦話しかけてみるか、
"100年振りに”口を開いた。
24人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ノルン(プロフ) - 面白い…好きです!更新待ってます!! (2021年8月27日 21時) (レス) id: 01548bf821 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さかな | 作成日時:2021年8月12日 21時