【オリジナル】340mlの缶ジュース

タイトル８ ページ8

「秋山君のせいだ」

ふと出た一言。
夏期講習に全然集中できなかった。
本当に、今日は一時間だけでよかった。


「何が俺のせいなの」

「あ、秋山君。」

そうか、彼もいるのだ。
委員会で彼は来ていたのだ。忘れてた。

「何その顔」
「ええ、変な顔だった！？」
「うん」


なんだ、普通に喋れるじゃんか。
てっきり、喋れなくなるかと思った。緊張したりして…。

「倉崎さん、さっきの話だけど…」
「！」

足は動いていた。
それは、早く早く。５０メートル走の時に出てほしい、早さだった。
何か、一言言えばよかった。
これじゃ、避けてるじゃないか。だめだ。


「ん…。」


交差点の真ん中。
日光はまぶしいまま、私の中はもやもや。


「喉乾いた…。家に早く帰ろ…。」

”早く帰る”、自分にそう言い聞かせながら。

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