48 ページ45
「A先生、おは・・」
担任の先生が、私のおでこを見て、フリーズする。
「おはようございます！」
私、わざと、にこやかに笑いながら、担任の横を通り過ぎ、職員室の自分の席に座る。
「あ、おはよーご・・！」
向かいの席の先生も、横の先生も。私のおでこを見て動きが止まる。
だよね。
だって、私のおでこ。
汚い字で、『相良猛』って書いてあるんだもん。
家帰ってから、速攻シャワーに入った。
ゴシゴシしても、全然とれない。
荒れちゃうの覚悟で、除光液とか使ったり、たわしでこすっても。
全然！とれない！
なんなの、このマジック。
「あの〜」
担任の先生、ひきつった顔で私の席に来て。
私のおでこを指差した。
「これ。どしたの？」
聞きにくそうに、言った。
だよね。
気になっちゃうよね。
周りの先生達も、身を乗り出している。みんな気になるらしい。
「あ、これですか？」
私、ニコニコしながら。
「やられたんです！」
「さ、相良くんに？」
数学の先生が恐る恐る言う。
私「・・はい。」
先生方、みんな頭を抱えている。
私「なんか気に入られちゃったみたいで。」
先生方、同情の眼差し。
私「なんか、マーキングされちゃいました。」
担任の先生、ため息をつきながら、
「相良くんの親御さん、呼び出そうか・・」
と、肩を落とした。
「でも、相良の親、呼び出しても応じた事ないですよね？」
と、現国の先生。
「お父さん、しばらく家帰ってきていないみたいなんだよなあ。」
担任の先生が頭を抱える。
確かに。相良くんの家に、相良くん以外の痕跡なかったもん。
・・と言いかけたのを、慌てて飲み込む私。
生徒の家に泊まったなんてバレたら、クビどころか。通報されちゃうわ。
手錠されていたから、不可抗力だとはいえ。
絶対バレたくない。
「とにかく！そのうち消えると思うので、大丈夫です！じゃあ、授業に行ってきます！」
私、わざと明るく振舞って、職員室を出た。
教室へ入ると。
いつもの様に、ツッパリ達が机の上に座って、私を睨んでいた。
みんな私のおでこを見ても、驚かない。
噂は既に広まっているらしい。
片桐くんは、後ろの席で寝ている。
しかし。
横の相良くんの机には。
誰もいない。
あれ、休みかな。
「きりーつ！」
誰も立たないけど。
「気をつけ、礼、着席！」
私、適当に言いながら、前へ立った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 693人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ahirusansan(プロフ) - 良ちゃんさん» 待っていてくれたなんてー！嬉しい！頑張ります＾＾ (2019年2月14日 12時) (
レス) id: a48bc9f7a2 (このIDを非表示/違反報告)
良ちゃん(プロフ) - 更新まってましたー！相良くんの嫉妬ぶりが可愛いすぎる (2019年2月12日 8時) (レス) id: 2652916fe0 (このIDを非表示/違反報告)
ahirusansan(プロフ) - まっぴさん» 何をされているんでしょうね・・きっと相良くんが予想出来ないくらいの、大人なあんな事やこんな事ですね笑 (2019年1月30日 16時) (レス) id: a48bc9f7a2 (このIDを非表示/違反報告)
ahirusansan(プロフ) - tsukika050101さん» ふっふっふ。暗闇で何をされているんでしょうね・・笑 ご想像にお任せします笑 (2019年1月30日 16時) (レス) id: a48bc9f7a2 (このIDを非表示/違反報告)
まっぴ - せんせー何してるのか気になるー！！！ (2019年1月30日 12時) (レス) id: 3a7b5709d1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ahirusansan | 作成日時：2019年1月7日 16時
