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108話 ページ8

宏太side



慧の体を支えながらおでこを冷やしてやる

熱を持った首筋の汗をタオルで拭うと、ゆっくりと目を開けた


薮「慧?目ぇ覚めたか…?」

伊「……ん…、」

薮「まだ痛い?」

伊「…んーん……、だいじょぶ…」

薮「よかった」


ウトウトできていた時間は15分もないかもしれない

でも痛み止めが効いてきたのか、さっきよりもいくらか柔らかい表情


管に触れないように気をつけながら背中を撫でる

首筋を冷やしていると、カーテンが静かに開いて光が顔を覗かせた


八「ただいま」

薮「おかえり」

八「ん、水買ってきた。慧、ちょっと寝れた?どう?」

伊「…ひか……、」

薮「水飲むか?今日の分はまだ飲んでないだろ?」

伊「…ん、のむ…」


入院してから、色々と制限が厳しくなった

1日に飲む水の量すら厳しく決められていて、それ以上はどんなに喉が渇いても汗をかいても飲むことができない


光が、買ってきた水をコップに注いで買い置きのストローをさす

ペットボトルのままだと一度に飲みすぎて、後で慧が辛くなるから


小さいコップに3分の1も入っていない水を、慧が一気に飲み干した

熱も高いし汗もかいてるから、本当はもっとたくさん飲みたいはずなのに…


八「慧、」

伊「ん…?」

八「慧に会いたいって人、連れてきたよ」

伊「…あいたい、ひと…?」

八「連れてくるね。待ってて?」


慧の頭を軽く撫でて、光がまたカーテンの向こうに消えていく

ずり落ちかけたカーディガンを直してやると、慧がゆらりと顔をあげた


薮「ん?」

伊「……ごめんね、したい…」

薮「ごめんねって…、なにを?」

伊「ひどいこと、いったから……」


裕翔のことか…


熱のせいでいつもより多く水分を含んだ瞳が揺れる

我が弟ながら、その辺の芸能人より整った愛らしい顔をしている


慧の背中をそっと撫でると、ベッドの周りを囲んでいるカーテンが揺れた

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わらびもち(プロフ) - このお話がすきで、伊野尾さんが弱るのが好きすぎて、何回も読み直したりしていたのでとても更新嬉しいです!!これからも応援しています、、、!! (2021年1月9日 17時) (レス) id: 271deec22e (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - 更新、すごく嬉しいです。 (2020年9月25日 16時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
あひる(プロフ) - colorfulさん» ありがとうございます!!更新しないままお待たせして本当にすみません…。まだまだ続く予定ですので、これからも楽しみにしていただけたら嬉しいです! (2019年10月9日 22時) (レス) id: 859447dd16 (このIDを非表示/違反報告)
colorful(プロフ) - 本当にこのお話が好きすぎて更新ワクワクしながら待ってしまうし、沢山更新されてると嬉しすぎて何度も同じページ読んでしまって全然進みません笑 もはやいつまでもこのお話が終わらないで欲しいとも思っています笑 応援しています。これからも頑張ってください!! (2019年10月7日 16時) (レス) id: a5293a7f37 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あひる | 作成日時:2019年8月13日 10時

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