Our Infinity 〜3rd〜

107話 ページ7

裕翔side



慧と言い争いになってから3日

1度も慧の病室に近づけないでいた

学校の期末試験が近い侑李もここ数日は家で勉強してる

圭人が家にいてくれるから、家でも落ち着いて勉強ができているらしい


『裕翔と約束なんてしない』

そう言った慧の顔が、あまりに苦しそうだったから

その時の表情が頭にこびりついて、またあんな顔をさせてしまうんじゃないかって怖かったから


今日になってやっと、覚悟を決めて慧の病室に行くことができた

でもいつもは開いているはずのカーテンが閉まっていて

最初は寝ているのかなって思った

でも光くんに見つかっちゃって、光くんがカーテンの向こうに入って行った時にできた隙間から見えた慧は……


たくさんのコードを繋がれて、酸素を送るための管もつけていた

机と宏太さんに寄りかかって、明らかにぐったりしている

俺が最後に会った時より体調が悪いのは一目瞭然だった



八「びっくりしたでしょ」

中「へ…？」

八「さっきの。慧、見えたでしょ？」

中「…はい」

八「肺炎起こしちゃったみたいでね。今朝から熱があって。今、肺に溜まった水を抜いてもらってるんだ」


だからあんなにぐったりしてたんだ

ただでさえ心臓が悪くて自由が効かないのに、それに加えて肺炎まで……


八「喧嘩した原因とかは聞いてないけど…、ごめんね。慧が変なこと言ったんじゃない？」

中「俺が悪いんです。無神経なことを言ったから…」

八「慧さ、最近ずっと調子良くなくてね」

中「…知ってます」

八「いつもそうなんだけど、体調悪いと……ん〜、精神的に不安定になっちゃうんだ。裕翔とも本当は喧嘩なんかしたくなかったと思う」


そうだよな

何年も前から病気と付き合って来て、不安だって大きかったはず

将来のこととか、あれがしたいこれがしたいとか、考えられなくても仕方ない


それなのに俺は…

毎日頑張っている慧に、なんて酷なことを言ってしまったんだろう


八「まあ、慧も素直じゃないところあるからさ。裕翔に会いたがってるはずだから。暇ならまた来てあげてよ」

中「暇…だけど、」

八「会いにくい？」


どんな顔で、何を言えばいいかわからない

単純に謝ればいいのかもしれないけど、謝ったら自分が間違えてたって認めるってことで

それはつまり、慧の未来を考えることが間違えてるって認めることになるから

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