Our Infinity 〜3rd〜

148話 ページ48

慧side



人生で初めての想い

人を好きになるって、苦しくて辛いことなんだね

光に抱きしめられて、思わず涙が出た


八「優しすぎだよ、慧は」

伊「…ちがう…っ、」

八「違くない。もっと自分勝手でいいんだよ。不安なことがあるなら、裕翔のとこ行ってごらん」

伊「でも…ゆうとは…」

八「大丈夫。裕翔のこと信じて」

伊「しんじる…？」

八「慧は、裕翔がなんの意味もなしにいきなり無視するようなヤツだと思うの？」

伊「んーん」

八「でしょ？信じるって、そういうこと」


光は、兄貴じゃないけど友達でもない

男だけどどこか中性的で、その言葉はいつでも俺の心に真っ直ぐ入ってくる

宏太には言えないけど、なぜか光には言えることも多々ある

不思議で大切な存在


八「じゃあ、明日裕翔のとこ行っといで」

伊「ぁ、あした！？」

八「そう。行かなかったら家に入れないからね」

伊「…病人に言うことじゃないし、それ」

八「ふふ、」

伊「ねえ、今日ご飯なに？」

八「なんだとおもう？」

伊「え〜、なんだろ」

八「よし、じゃあ慧にも手伝ってもらおうかな」

伊「え、まじぃ？」

八「まじ。ほら来て」

伊「へぇい」


宏太が光を紹介してくれた日、俺は直感でこの人好きだって思った

今も変わらない

大切な兄貴が、俺の世話に青春のほとんどを注ぎ込んできたであろう兄貴が、やっと自分のことを優先してくれた

なんとなくだけど、光と付き合ってるって聞かされた時、宏太を自由にしてあげられた気がしたんだ

149話→←147話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す