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113話 ページ13

裕翔side



慧の手をできるだけ優しくマッサージしていると、枕にもたれた慧が小さく身動いだ


伊「…っ、ゆうと……」

中「ん?どうしたの?」

伊「からだ…いたい……、」

中「痛い!?えっと…ど、どうしよう……どうすればいいっ!?」

伊「…そんなにあわてないでよ…だいじょうぶだから……、となり、すわってくれるとうれしい…」

中「隣…?」

伊「…ここ……、きて…?」


高熱と背中の管のせいで自由に体を動かすことができない慧は、言葉の他にも視線や表情で意思を伝えようとしている

慧の視線の先は、さっきまで宏太さんが座っていたところだった


車椅子を少し動かして、向きを変えてストッパーを下ろす

ベッドと車椅子の肘掛けに手をかけてベッドに移動すると、慧がふわりと微笑んだ


伊「じょうずだね…」

中「もう慣れたよ。俺、どうすればいい?」

伊「…よりかかっても、いい…?」


左足に麻痺が残って感覚がなくなってすぐの頃は、自分の体すら左右非対称に感じて自力で支えることが出来なかった

でも今はこの体で生活するのに必要な筋肉もついたし、侑李と戯れていても特別問題を感じたことはない

寄りかかられるくらいなら支えられるはずだ


中「いいよ。おいで」


慧のすぐ隣に近寄って、さっき宏太さんがしていたみたいに慧がよりかかりやすいように枕を間に入れた

ゆっくり俺の方に傾く慧の体

細い体を支えようと肩を抱くと、真っ白な胸元が目に入る


中「……っ、」


思わず息を飲んでしまった

真っ白で後ろが透けて見えるんじゃないかと心配になるくらい薄い胸には、鎖骨の下あたりに心電図のパッドと色とりどりのコード

真ん中には細長く傷跡が残っている


伊「…ごめんね……」

中「え…、」

伊「きもちわるい、でしょ」

中「いや…、そうじゃなくて…」

伊「だいじょうぶ、わかってるから…」

中「気持ち悪くないよ、ただ……」

伊「…?」

中「ちょっとびっくりしただけ。それに…ほら、見て」


慧の体が完全に俺に寄り掛かっているのを確認して、右手のシャツをめくる

肘の下には事故の時に折れた骨が突き出た傷跡がある

プレートを埋め込む手術もしたから、中々の大きさ


中「ほら、お揃い」

伊「……ほんとだ、おそろい…」


気がついたら、俺の傷跡を見て微笑む慧の頭を撫でていた


これ、だいぶ近いな…

意識してしまうと途端に気になって仕方がない

ここまで近い距離に入ったのは初めて

この近さで見ても綺麗な顔…

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わらびもち(プロフ) - このお話がすきで、伊野尾さんが弱るのが好きすぎて、何回も読み直したりしていたのでとても更新嬉しいです!!これからも応援しています、、、!! (2021年1月9日 17時) (レス) id: 271deec22e (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - 更新、すごく嬉しいです。 (2020年9月25日 16時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
あひる(プロフ) - colorfulさん» ありがとうございます!!更新しないままお待たせして本当にすみません…。まだまだ続く予定ですので、これからも楽しみにしていただけたら嬉しいです! (2019年10月9日 22時) (レス) id: 859447dd16 (このIDを非表示/違反報告)
colorful(プロフ) - 本当にこのお話が好きすぎて更新ワクワクしながら待ってしまうし、沢山更新されてると嬉しすぎて何度も同じページ読んでしまって全然進みません笑 もはやいつまでもこのお話が終わらないで欲しいとも思っています笑 応援しています。これからも頑張ってください!! (2019年10月7日 16時) (レス) id: a5293a7f37 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あひる | 作成日時:2019年8月13日 10時

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