79話 ページ29
光side
まだ少し強張った顔の宏太をさりげなく支えながら、部屋を出る
慧も宏太も、この兄弟はお互いに依存している
お互いの幸せを想って、大事にして…
でもお互いの首を絞めているようにも見える
八「宏太、面会時間終わるまで慧のとこいるでしょ？」
薮「そのつもり」
八「じゃあ俺、今日は帰るね。これから宏太も家にいる時間減るだろうし、作り置きとか作りたいから」
薮「…いつも悪りぃな」
八「何言っての、今更」
HCUの前の窓から、慧のベッドを見る
布団の膨らみが小さく上下している
俺も早く慧の手を握ってやりたい
頑張ったねって頭を撫でてやりたい
でも今はできないから、慧と宏太のために俺ができることをする
「どこかな…」
「あそこ！左から2番目！」
「あー、本当だ。侑李、目いいな」
車椅子の男の人と、小学生くらいの男の子
俺たちと同じようにガラス窓の前で中を覗いている
…ん？
左から2番目？
「けい…」
車椅子に乗った人、今、けいって言ったよね
慧の知り合い…？
宏太の方を振り向くと、宏太もその2人の方を見ていた
「…にいちゃん」
「ん？」
「なんか……見てる」
兄弟か
弟の方がお兄さんの後ろに隠れる
知らない人2人にガン見されたら、そりゃ怖いよな
薮「…慧の、お知り合いですか？」
「はい。……あ、もしかしてお兄さん…ですか？」
薮「はい」
「えっと、宏太さん…でしたっけ」
薮「へ…？」
「慧…さんから、お話伺ってます。ここの整形外科に入院してます、中島裕翔です。宏太さんと……もしかして光さん？」
八「あ、はい」
「にいちゃん、だぁれ…？」
「慧のお兄さんと、その彼女さん」
「かのじょ…？」
なんで知ってんだ…？
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あひる(プロフ) - colorfulさん» ありがとうございます！そんな風に言っていただけて、とっても嬉しいです！ (2019年6月3日 16時) (
レス) id: 859447dd16 (このIDを非表示/違反報告)
colorful(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます。このお話、大好きです！！こんなに更新されるのがワクワクしている作品は未だかつてありません。本当に大好きな作品です。次の更新も待ってます。頑張ってください。 (2019年6月1日 15時) (レス) id: 0ff304e122 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あひる
| 作成日時：2019年4月19日 8時
