61話 ページ11
宏太side
慧から渡された茶色い封筒
今までの検査結果が全部まとめてあるファイルを広げながら、その紙を見る
慧が拡張型心筋症を宣告されたのは、俺が大学1年生の時
医学部でもなんでもない俺が検査結果を理解できるようになるには、正直かなり勉強した
ネットだけじゃない
図書館の本で調べたり、高校の同級生で医学部に入ったやつに聞いてみたり
でも結果はどこをみても一緒だった
色々な薬を試しても効きが悪く、高校生の時に受けた手術もあまり効果のなかった慧が完治するには心臓移植以外ない
それが現実
この紙に書いてあることの意味もある程度は理解できるし、ここ最近で悪化していることも分かる
知りたくない事実
でも慧の唯一の家族の俺が知っていなきゃいけないこと
伊「宏太ぁ」
薮「ん?」
伊「それ意味わかるの?」
薮「なんとなくな。薬、また出してもらったの?」
伊「うん」
ソファに座って、足を抱えながらケータイをいじる慧
光は一度自分のアパートに帰ったから、今日は久しぶりに2人だけ
伊「ぷふっ、なんだこれ…」
薮「ん〜?」
伊「見てこれ。高木」
慧が見せたケータイ画面には、雄也とのメッセージのやりとり
俺が見ている間にも新しいメッセージが届いた
伊『週明けから大学行くー』
高『ほんと!?まじか!よかった!!』
伊『本屋付き合って』
高『もちろん!』
高『朝、家まで迎え行こうか?帰りは送るけど』
伊『彼氏かっつーの』
伊『いいよ、バス停のとこで』
高『彼氏じゃねえよ。心配なだこ』
伊『タコ』
伊『茹でだこ』
高『だけ!』
雄也、慧のこと心配なんだろうな
結局あの発作からそのまま1週間以上大学休んでたわけだし
もともと雄也は面倒見がいいタイプなのか、慧のことをよく気にかけてくれている
確か、下に弟がいるとか言ってたっけ
慧の方が年下なのに、あんなにおちょくられても平気な顔でニコニコしてる
クールそうな見た目に反して穏やかで優しい子
薮「よかったな。大学行きたかったもんな」
伊「うん!あ、明日本屋さん言ってくるね」
薮「おう、気をつけろよ。あと雄也にお礼言っときな?」
伊「分かってる。これからのこともお願いしなきゃ」
慧、生き生きしてる
体の調子がいいと、何でもかんでも楽しくて仕方ないんだろうな
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平成が終わって令和になりましたね
新しい時代でも、よろしくお願いします
皆様にとって素敵な時代になりますように…
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あひる(プロフ) - colorfulさん» ありがとうございます!そんな風に言っていただけて、とっても嬉しいです! (2019年6月3日 16時) (レス) id: 859447dd16 (このIDを非表示/違反報告)
colorful(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます。このお話、大好きです!!こんなに更新されるのがワクワクしている作品は未だかつてありません。本当に大好きな作品です。次の更新も待ってます。頑張ってください。 (2019年6月1日 15時) (レス) id: 0ff304e122 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あひる | 作成日時:2019年4月19日 8時