第5話 ロウとマルティナと ページ7
「……ロウ爺」
ロウ:「……過酷な運命はいつも……。わしから
さまざまなモノを奪う。しかし、今度ばかり
は止めねばならん。
シアン…この一度だけ、年寄りのワガママ
を聞いてくれ。おぬしまでいなくなったら
わしは………。」
「……貴方にここまで言わせておいて、ロウ爺を置いていこうとしている私はとんだ親不孝者だよ…。本当にごめんなさい、ロウ爺…。
でもこれだけは言わせて下さい。
私は…貴方の孫で…心から幸せです。
ユグノアの復興を手伝えなくてごめんね……
どうか…幸せになって…」
ロウ:「……おぬしはわしの自慢の孫じゃ。
なーに。謝ることも心配することも
なにもない。……すまなかったのう、
シアン。おぬしが生きてくれている
だけで…それだけでおぬしは親孝行者だよ」
「…うん……ありがと、ロウ爺…!」
シアンは朗らかに寂しそうに笑う祖父を抱き締め、その隣のマルティナの前に歩み寄る。
マル:「…もしここで行かせてしまったら、
貴女の身に何かあったら……私はきっと
また後悔することになる。
だから……お願い、行かないで…
私は貴女まで失いたくないわ」
「マルティナ……そうね、私は皆を置いて…
また貴女たちに心配かけて、迷惑をかけてしまう。それでも…私は貴女の祖国を、取り戻したい。
貴女が守ろうとした…この世界のすべてを、
どうかもう一度だけ、この勇者に託して下さりませんか?マルティナ姫」
マル:「…貴女はいつもそう。私が忘れかけていたこ
とを思い出させてくれて、導いてくれる。
…………ふふ、どうしよう。
涙がっ、止まらない…」
シアンは可憐に涙を流すマルティナを抱き締めて、彼女に小さく尋ねた。
「ねぇ…姉さん、って呼んでもいいかな…?」
マル:「!……もちろん…!シアン、貴女は…私の妹も
同然なんだからっ………」
「ありがとう……マルティナ姉さん。
……それと、どうかグレイグのこと
よろしく頼むよ」
マル:「!…任せなさい。…でもあの堅物は手強い
わよ?シアン」
「………いやだなぁ」
2人は互いにそんなことを小声で話してくすくすと小さく笑い合う。
次に彼女はシルビアの元に駆け寄った。
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汐乃(プロフ) - ルビスさん» ありがとうございます!少し更新が遅めになりますが…頑張ります! (2017年9月5日 1時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
ルビス(プロフ) - シナリオ、キャラクターにとても好感が持てました続きを毎日楽しみにしています!頑張って下さい!! (2017年9月4日 3時) (レス) id: 0261b564cd (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - はちみつ恋風味さん» そのように評価していただきありがとうございます!このような駄文ですがそう言って貰えると、とても嬉しいです! (2017年8月30日 4時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ恋風味(プロフ) - 面白いです、原作に沿ってストーリーを進めている展開にドキドキしながら読ませていただいています。わたしもホメロス好きなので救っていただいて嬉しいです!更新待っています(*^_^*) (2017年8月29日 17時) (レス) id: 8fdbcc3360 (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - ポテコさん» ご指摘ありがとうございます!すぐさま訂正させていただきました! (2017年8月28日 22時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りまるま | 作成日時:2017年8月27日 10時