第39話 墜ちた勇者の星 ページ41
バルコニーに出ると、目の前に広がるのは
禍々しい色に染まった一面の空。
異常な様子の空に息を呑むシアンに続いて
デルカダール王やグレイグ、仲間たちもバルコニーに出てくる。
シアンは皆がバルコニーに集まったのを
確認して、低い声で唸るように呟いた。
「勇者の星が…落ちている……」
デル:「!?なんと……!」
そして、あの勇者の星が落下している方向は…
間違いない。かつてと同じ、サマディー地方の
バクラバ砂丘の古い遺跡。
勇者の星は落下する速度を徐々に速めていき、
サマディー地方に沈んでいく。
途端に、紅い閃光が勇者の星に放たれたかと
思うと、勇者の星は遂に地に墜ち、バクラバ砂丘
一帯を不気味な黒い霧が覆った。
……その中に魔王ウルノーガとは比にもならない
邪悪な気配が存在し…恐ろしい巨人の姿が
見えたのは、私だけなのだろうか。
この異常事態にデルカダール王は険しい表情を浮かべながらもシアンやその仲間たちを
再び玉座の間へと集めた。
デル:「勇者の星が落ちてしまったのか……?
いったい何が起ころうというのじゃ………。」
「王よ、勇者の星については私に調査をお任せ
させては頂けませんか?」
デル:「……しかし、そなたはつい先日に
ウルノーガを討ち取り、この身を救うてもらったのだ…そなたにばかり頼ってはおられん」
「私は心配には及びません。それに……
何やら、胸騒ぎがしてならないのです。
王よ、どうか…私にお任せを」
デル:「……すまない、そなたには
苦労ばかりをかける……」
「……ありがとうございます、どうかお気になさらないでくださいませ」
シアンは王に深く頭を下げると仲間たちの
もとに駆け寄る。
カミュ:「おい、俺たちも行くぜ」
「いや…皆はここに残っててくないかな。
調査には私だけで行ってくる」
シル:「えええっ!どうしてよん!シアンちゃん!」
「皆はここでデルカダール王のお手伝いをお願いしたいの。…たぶんこんな不気味な異常事態の中だ。たくさんの人が混乱し…不安になっていると思う。それを、少しでも落ち着かせることが
大切だと思ったの。だから…頼めない、かな」
彼女の提案ことお願いに、カミュやベロニカが
渋々…といった様子だったが皆快く引き受けてくれた。
グレ:「…私も、シアンと共に調査に向かおう」
「………………は…?」
背後から聞こえたあの男の声と言葉にシアンは思わず間の抜けた声をあげた。
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汐乃(プロフ) - ルビスさん» ありがとうございます!少し更新が遅めになりますが…頑張ります! (2017年9月5日 1時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
ルビス(プロフ) - シナリオ、キャラクターにとても好感が持てました続きを毎日楽しみにしています!頑張って下さい!! (2017年9月4日 3時) (レス) id: 0261b564cd (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - はちみつ恋風味さん» そのように評価していただきありがとうございます!このような駄文ですがそう言って貰えると、とても嬉しいです! (2017年8月30日 4時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ恋風味(プロフ) - 面白いです、原作に沿ってストーリーを進めている展開にドキドキしながら読ませていただいています。わたしもホメロス好きなので救っていただいて嬉しいです!更新待っています(*^_^*) (2017年8月29日 17時) (レス) id: 8fdbcc3360 (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - ポテコさん» ご指摘ありがとうございます!すぐさま訂正させていただきました! (2017年8月28日 22時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りまるま | 作成日時:2017年8月27日 10時