第3話 失われし時を求める覚悟 ページ5
時:「時のオーブをこわすにはすべてを
たちきることのできるおおいなるチカラが
ひつようです。
そのようなチカラはおそらくこのせかいで
ひとつしかありません」
時の番人は僅かにシアンの前へと歩み寄り
彼女を静かに見据えた。
時:「それは…あなたのもつ勇者のチカラです。
……あなたの名は?」
「っ………え、あぁ、うん。私はシアン」
シアンは時の番人の話を茫然とした表情で見ながらなんとか名乗る。
時の番人は満足そうに頷いてまた語り始めた。
時:「そう……あなたはシアンというのですね。
シアン、あなたがもつその勇者のつるぎ
をもってすれば時のオーブもくだくことが
できるはず。
それをできるのはあなただけ。」
「!……っ、私だけ…?」
時:「……………そう、過去にもどることができるの
はシアン、あなただけなのです」
シアンも含めその場にいる全員が大きく目を見開いて固まる。そこにすかさずカミュが割って入った。
カミュ:「っ……ちょっとまてよ。過去に戻った
シアンはまたここに戻ってこられるん
だろうな?」
時:「………いちど過去にもどればおそらくにどと
このせかいにはもどってこれないでしょう。
それに………。こわれた時のオーブがぼうそう
すればねじまがった時のうずにのみこまれ
てしまうかもしれない。
時のうずにのまれてしまったら………
シアンはえいえんに時のはざまを
さまようことになるでしょう」
「………………。」
セー:「っ………そんな……!」
時:「かけがえのないなかまとわかれ、たった
ひとりで過去にもどる。あなたじしんも
どうなるかわからない。
…………シアン。それでもあなたは
失われた時をもとめて、過去にもどる
かくごがありますか?」
「………私は────」
脳裏に浮かぶのは…
ベロニカの弾けるような笑顔。
あの時失われたたくさんの人々の笑顔と命………
皆を守れなかった勇者。
……私はその罪を償わなければならない。
シアンはその一心で鉛のように重く感じる
身体を動かし、1歩、前へと進もうとする。
しかし彼女の前に…悲痛な面持ちをした
仲間たちが立ち塞がった。
セー:「ごめんなさい…シアンさま。でも…
あなたを行かせるわけにはいきません…!」
セーニャの震える声が酷く耳の奥に残った。
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汐乃(プロフ) - ルビスさん» ありがとうございます!少し更新が遅めになりますが…頑張ります! (2017年9月5日 1時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
ルビス(プロフ) - シナリオ、キャラクターにとても好感が持てました続きを毎日楽しみにしています!頑張って下さい!! (2017年9月4日 3時) (レス) id: 0261b564cd (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - はちみつ恋風味さん» そのように評価していただきありがとうございます!このような駄文ですがそう言って貰えると、とても嬉しいです! (2017年8月30日 4時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ恋風味(プロフ) - 面白いです、原作に沿ってストーリーを進めている展開にドキドキしながら読ませていただいています。わたしもホメロス好きなので救っていただいて嬉しいです!更新待っています(*^_^*) (2017年8月29日 17時) (レス) id: 8fdbcc3360 (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - ポテコさん» ご指摘ありがとうございます!すぐさま訂正させていただきました! (2017年8月28日 22時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りまるま | 作成日時:2017年8月27日 10時