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第38話 不穏な空 ページ40

シアンたちはしばらく玉座の間にてデルカダール王らとともに他愛もない話に花を咲かせていた。

しかし、突如今まで眩いほどの光を射し込んでいた窓の外が暗くなり、不穏な空気が漂う。

カミュ:「なんだ?急に暗くなりやがった……。」

カミュの隣にいたセーニャも彼女には珍しく
険しい表情を見せる。

セー:「………とてつもなく、邪悪な気配を感じます…
この力は、いったいどこから………?」

「……この気配…」

この得体の知れない気配…どこかで…

カミュ:「そういえばウルノーガが最期に変なこと
言ってたよな……“時を遡ってきたのはお前だけと思うなよ……”とか。あれはいったい
どういうことだ……。」

『時を遡ってきたのはお前だけと思うなよ……』

ドクンッ…

ウルノーガの最期の言葉が鮮明に脳裏に蘇る。
そしてこの重苦しい…得体の知れない気配。

バタンッ!

「王さま!大変です!直ちにバルコニーに
お急ぎください!…勇者の星に異変がっ!」

勢いよく扉を開け放って玉座の間へと入ってきた兵士の言葉にシアンは、ここに遡る前の
世界での出来事を思い出した。

魔王ウルノーガによって一度、
命の大樹が墜ちた世界。

あの世界でもこれと似たような状況があった。

サマディー地方、バクラバ砂丘にある古い遺産。
その中央に立って、腕のような…触手にも似たようなものを伸ばして、まるで勇者の星を引き寄せているような…落下しつつある勇者の星に手を伸ばす不気味な黒い…時の化身にも似た存在。

結局、その後突如として現れた魔王ウルノーガの
手により、落下する勇者の星は破壊されてしまったのだが…。

『………ワタシガ、ミエルノカ?…
ソレデハ、オマエガ…』

『スギサリシトキヨ……
サア、ワガモトへキタレ…………。』

そしてその勇者の星に刻まれていた古代文字…

“ニズゼルファ”

ニズゼルファ…何かとてつもなく嫌な予感がする。
それに、あの黒い時の化身と、この気配が…
………似ている。

ドクンッ…!

そう思った途端、左手の勇者の紋章が輝き、
とてつもない動悸がシアンを襲った。
彼女は急に全身の血の気が引いていくのを感じて、いても立てってもいられず、誰よりも先に
三階のバルコニーへと駆け出していた。

第39話 墜ちた勇者の星→←第37話 あなたの隣に



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汐乃(プロフ) - ルビスさん» ありがとうございます!少し更新が遅めになりますが…頑張ります! (2017年9月5日 1時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
ルビス(プロフ) - シナリオ、キャラクターにとても好感が持てました続きを毎日楽しみにしています!頑張って下さい!! (2017年9月4日 3時) (レス) id: 0261b564cd (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - はちみつ恋風味さん» そのように評価していただきありがとうございます!このような駄文ですがそう言って貰えると、とても嬉しいです! (2017年8月30日 4時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ恋風味(プロフ) - 面白いです、原作に沿ってストーリーを進めている展開にドキドキしながら読ませていただいています。わたしもホメロス好きなので救っていただいて嬉しいです!更新待っています(*^_^*) (2017年8月29日 17時) (レス) id: 8fdbcc3360 (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - ポテコさん» ご指摘ありがとうございます!すぐさま訂正させていただきました! (2017年8月28日 22時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りまるま | 作成日時:2017年8月27日 10時

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