第33話 魔道士の策 ページ35
シュウッ…
しかし、振り下ろした瞬間。ウルノーガの姿は
霧のように消え、2人の剣は空を斬る。
グレ:「なんだ!?」
「消えた…!……まさか今のは、幻影……っ!?」
ガシッ!
シアンは不意に背後から首を掴まれたかと
思うと、そのまま後ろを振り向かされ、そのまま高々と身体は宙に浮く。
カミュ:「っ!シアン!」
グレ:「っ!!」
シアンの首を掴み、それを高々と宙に浮かせるのはウルノーガ。
シアンは苦しげにウルノーガの腕を掴み、
その拘束から逃れようと、必死にもがく。
ウル:「ハッハッハッ!流石の勇者も所詮は女!
我の力に敵うはずもなかろう!!」
「っ…!!…うっ…はっ…!」
徐々に首を圧迫され、視界が白み、霞み始める。
セー:「っ……!シアンさま!」
ロウ:「シアン!!…こうなれば、わしがっ…!」
シル:「落ち着いて!ロウちゃん!」
ベロ:「そうよ…このまま…下手にウルノーガに攻撃すればシアンを盾にされかねないわ…
でも…その前にあの子の首を折られでもしたら…!」
カミュ:「くっそ…!とにかくアイツを助ける方法を
考えるぞ!!早くしねぇと、マジで窒息死だ!」
ウルノーガは仲間たち声を聞き、シアンの
苦しむ顔を眺めながら嘲笑を浮かべる。
ウル:「さぁ…ジワジワと苦しみと痛みを味あわせてやろうぞ、そして絶望するのだ!勇者よ!」
「っ……、あ……くっ……!」
このままじゃ、勇者の力も剣も奪われかねない…!
視界が……霞んでいく…!
それに加え、抵抗しようにも呼吸ができず、
意識は遠のき、身体の力が抜けていく。
考えろ………考えろ考えろ考えろ考えろ…
考えろ!私!!
ピリッ…
「…………?」
不意に、身体中の皮膚の表面に小さな電気が
走ったような…そんな僅かな痛みにも似たものを感じた。
ビリッ!
その痛みは、肌を粟立たせ、瞬時に背筋を凍らせていく。
ウルノーガもこの感覚に思わず眉根を寄せた。
「っ……!?」
ウル:「!?…なんだ、この気配は!」
これは…もしかして、殺気……?
そういえば…あの人は…?
一瞬、この強烈な殺気の溢れる元をこの目に捉える。
そこには、触れれば切れてしまいそうな…
そんな鋭過ぎる視線と刃物のような双眸で
こちらを見据える…グレイグの姿。
しかし、瞬きをした瞬間に彼の姿は消え、
その代わりに自分の視界はいつの間にやら
反転していた。
58人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
汐乃(プロフ) - ルビスさん» ありがとうございます!少し更新が遅めになりますが…頑張ります! (2017年9月5日 1時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
ルビス(プロフ) - シナリオ、キャラクターにとても好感が持てました続きを毎日楽しみにしています!頑張って下さい!! (2017年9月4日 3時) (レス) id: 0261b564cd (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - はちみつ恋風味さん» そのように評価していただきありがとうございます!このような駄文ですがそう言って貰えると、とても嬉しいです! (2017年8月30日 4時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ恋風味(プロフ) - 面白いです、原作に沿ってストーリーを進めている展開にドキドキしながら読ませていただいています。わたしもホメロス好きなので救っていただいて嬉しいです!更新待っています(*^_^*) (2017年8月29日 17時) (レス) id: 8fdbcc3360 (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - ポテコさん» ご指摘ありがとうございます!すぐさま訂正させていただきました! (2017年8月28日 22時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りまるま | 作成日時:2017年8月27日 10時