第25話 夜の英雄と ページ27
「……お預かりさせて貰っているホメロス殿は
ウルノーガから与えられたと思われる
闇のオーブの力の影響で今だ身体の中に
邪悪な魔力が巡っています。それを取り除くため、私の心から信頼の置ける友人のもとに
彼を預けました。…おそらくその闇の魔力を取り除くためにホメロス殿は暫くは眠ったままと 考えられますので、その報告をさせていただきたく貴方のもとを訪ねた所存です」
グレ:「そうか……ホメロスを…我が友を身を呈してまで生かそうと尽力してもらい、心から感謝している」
「いえ、どうかお気になさらず。
あの時は私も……咄嗟に身体が動いたので、
それに従ったまでです」
グレイグはシアンの話を聞いて、少しばかり
表情が和らいだようにも見えた。
そんなグレイグにシアンは深く頷いて見せると、彼の部屋を後にしようと扉のもとへと向かい、その取手に手を掛ける。
「用件はその報告で以上となりますので……
夜分遅くに申し訳ありません。
それでは、失礼しま…………………あの…英雄殿?」
取手に手を掛け、扉を開けようとした瞬間。
突然左肩に大きな鎧の籠手が置かれて、
また思わず肩をビクつかせながらもシアンは
後ろをおそるおそる振り返った。
グレ:「……何故だ」
「何故……?…と、いいますと…?」
この男はいつも言葉が足らない。
………どうにも、早く…この部屋を出たい…。
この男のそばに居れば…私はまた、同じことを
繰り返してしまいそうで、怖く、なるから。
グレ:「…………すまない…何でもない。
……引き止めてしまい悪かった。もう夜も深い。
貴女の部屋まで送ろう」
「え……え、いっ…い、いやいやいや。
一国の英雄殿にそんなことさせられませんって。そ、それでは…………」
グレ:「……………。」
「………………あの、手…離してもらえません?」
グレ:「………………。」
……こんの、頑固英雄が…。
変なところで滅多に発揮しない
紳士対応なんかして……
シアンは今にも溢れ出しそうな心の声を
何とか平静を装って心中へとしまい、引き攣った笑みを浮かべた。
「はぁ…………わかりました。お願い、します…」
グレ:「ああ」
結局、シアンはグレイグに自分のためにとってあった貴賓室へと送り届けて貰うこととなった。
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汐乃(プロフ) - ルビスさん» ありがとうございます!少し更新が遅めになりますが…頑張ります! (2017年9月5日 1時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
ルビス(プロフ) - シナリオ、キャラクターにとても好感が持てました続きを毎日楽しみにしています!頑張って下さい!! (2017年9月4日 3時) (レス) id: 0261b564cd (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - はちみつ恋風味さん» そのように評価していただきありがとうございます!このような駄文ですがそう言って貰えると、とても嬉しいです! (2017年8月30日 4時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ恋風味(プロフ) - 面白いです、原作に沿ってストーリーを進めている展開にドキドキしながら読ませていただいています。わたしもホメロス好きなので救っていただいて嬉しいです!更新待っています(*^_^*) (2017年8月29日 17時) (レス) id: 8fdbcc3360 (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - ポテコさん» ご指摘ありがとうございます!すぐさま訂正させていただきました! (2017年8月28日 22時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りまるま | 作成日時:2017年8月27日 10時