検索窓
今日:19 hit、昨日:2 hit、合計:49,784 hit

第23話 英雄のもとへ ページ25

シアンは今回の宴の主役ということもあり、イシの村の者や仲間たちに沢山の豪華な
料理や酒を勧められ…今だ続いている宴の最中だが、酔いを冷ますため広いデルカダール城内を
目的も無く、フラフラと歩いていた。

そしてそれとなく、無心の頭の中に出てくるのは
グレイグのことばかり。

シアンはその度に邪念を振り払うように頭をぶんぶんと横に振って、深くため息をつく。

「あぁー…だからっ、この世界の…あの人はっ…
ダメ、なんだっ、て……!」

……前の世界のグレイグはいつか向こうの世界の
自分も私に惹かれるだろう…とかなんとか
言ってたけど……

私はもう…貴方を好きにはならない。

………なってはいけないの。

それほどまでに、私は罪深い人間なのだから。
貴方はこんな人間と共にいてはいけない人なのだから。

………でも、ホメロスのことは
…話した方がいい…よね……。

本当…私って自分勝手。

シアンははたまた大きなため息を漏らして、
近くにいた兵士にグレイグの部屋の場所を聞き出し、重い足取りでその部屋へと向かった。



コンコン…

「………………。」

コンコン……コン…

「…………返事がない。もう寝たのかな?それとも…」

部屋にいないのか…

ガチャ…

そう思って、扉の取手に手を掛けると、
その扉はあっさりと開いた。

「え、開いたんだけど………。
一国の英雄殿も無用心極まりないなぁ………あ」

グレ:「……………。」

ふと部屋の中に視線をやると、グレイグが、いた。
彼は窓の外に険しい顔を向け…何やら遠くを
眺めているようだ。
しかも部屋に入ってきたシアンに微塵も
気づいていない様子。
シアンは思わず内心で叫びをあげた。

え…えええぇぇ……普通に居る…んだけど…
ノック無視したってことは居留守してた…?
いや、でも部屋に勝手に入ってきた私に
気づいてすらいないみたいだし……。

シアンは慎重にピクリとも動かないグレイグ
の広い背中へと近づいていく。

グレ:「……………何用だ」

「…………気づいていたのなら声くらいかけては
くれませんか、英雄殿」

突然相変わらずの仏頂面で振り向いたグレイグに思わずシアンは肩をビクつかせた。

第24話 不器用な彼→←第22話 宴



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.0/10 (43 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
58人がお気に入り
設定タグ:ドラクエ11 , グレイグ , 女主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

汐乃(プロフ) - ルビスさん» ありがとうございます!少し更新が遅めになりますが…頑張ります! (2017年9月5日 1時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
ルビス(プロフ) - シナリオ、キャラクターにとても好感が持てました続きを毎日楽しみにしています!頑張って下さい!! (2017年9月4日 3時) (レス) id: 0261b564cd (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - はちみつ恋風味さん» そのように評価していただきありがとうございます!このような駄文ですがそう言って貰えると、とても嬉しいです! (2017年8月30日 4時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ恋風味(プロフ) - 面白いです、原作に沿ってストーリーを進めている展開にドキドキしながら読ませていただいています。わたしもホメロス好きなので救っていただいて嬉しいです!更新待っています(*^_^*) (2017年8月29日 17時) (レス) id: 8fdbcc3360 (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - ポテコさん» ご指摘ありがとうございます!すぐさま訂正させていただきました! (2017年8月28日 22時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:りまるま | 作成日時:2017年8月27日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。