第21話 あの人の横顔 ページ23
今まで張り詰めていた緊張が解けたのか、
シアンは思わず、その場に倒れ込む。
そんな彼女を見て、皆は慌てて彼女のもとへと
駆け寄った。
カミュ:「おい!シアン!しっかりしろ!
セーニャ、回復呪文頼む!」
セー:「はいっ!すぐに取り掛かります!」
シル:「ベロニカちゃん!こっちの止血、少し手伝ってくれない!?」
ベロ:「わかったわ!シアン!
しっかりしなさいよ!」
マル:「っ…私も何か手伝うわ!」
ロウ:「しっかりするんじゃ!シアン!」
皆の応急処置のおかげで、シアンは何とか
回復し起き上がれるまでになった。
「あはは、皆ありがとう!おかげで助かった」
カミュ:「あはは、じゃねぇよ!ったく、無茶ばっかりしやがって……」
マル:「……シアン、その…本当にごめんなさい…
私の父が…………」
ロウ:「……………。」
何やらマルティナとロウの纏う空気が重い。
…どうやらデルカダール王をよく知る2人は
あの王の異様さに気づいてきたらしい。
「いいよいいよ。私からあの剣の切っ先に
飛び込んだわけだから」
マル:「…いいの、それでも謝らせて…。
そういえば、シアンはどうしてホメロスを
庇ったの?」
マルティナの発言に全員の視線がシアンの
後ろに横たわるホメロスに集まる。
ベロ:「それ!あたしも思ってた。
ダーハルーネの町なんかではソイツ、散々
あたしたちや町長さんの息子さんに酷いこと
してきたのに…どうしてシアンは身をていしてまで庇ったのよ?」
「うーん……気づいたら身体が動いていたと
いうか……強いて言うなら」
かつて魔王の居城で親友の最期をみとった彼。
絶対的忠誠を誓った王の手によって今にも
息絶えてしまいそうな親友を見た彼。
「………あの人の横顔が、
酷く哀しそうだったから…かな」
マル:「!」
シル:「…………ふふ、そのあの人っていうのは
もしかして…
あのグレイグ将軍のことかしらん?」
「……さあ、どうだろう。
さてそんなことより!せっかく王さまに
宴に招待されたんだからさっさとデルカダール
城に行こう!あ、カミュはこの美人さん抱えてくの手伝って」
カミュ:「結局俺かよ…ったくほんとお人好しだよな、お前」
「カミュもね」
こうしてシアン一行はデルカダール城へと
再出発した。
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汐乃(プロフ) - ルビスさん» ありがとうございます!少し更新が遅めになりますが…頑張ります! (2017年9月5日 1時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
ルビス(プロフ) - シナリオ、キャラクターにとても好感が持てました続きを毎日楽しみにしています!頑張って下さい!! (2017年9月4日 3時) (レス) id: 0261b564cd (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - はちみつ恋風味さん» そのように評価していただきありがとうございます!このような駄文ですがそう言って貰えると、とても嬉しいです! (2017年8月30日 4時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ恋風味(プロフ) - 面白いです、原作に沿ってストーリーを進めている展開にドキドキしながら読ませていただいています。わたしもホメロス好きなので救っていただいて嬉しいです!更新待っています(*^_^*) (2017年8月29日 17時) (レス) id: 8fdbcc3360 (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - ポテコさん» ご指摘ありがとうございます!すぐさま訂正させていただきました! (2017年8月28日 22時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りまるま | 作成日時:2017年8月27日 10時