第20話 疼き ページ22
デル:「おぉ……!なんという素晴らしい剣だ。
シアンよわしにも見せてはくれぬか?」
「え………っ!」
駄目だ…このままウルノーガに勇者の剣を
触れさせれば…!
咄嗟に身を引こうとするシアンだったが、
それよりも先に王の伸ばした手が何かによって
弾かれるように、跳ねた。
デル:「っ…!何だ、今のは…!?」
「………王よ、どうかされました?」
デル:「いや…まあよい。それよりも早く
デルカダール城に帰って宴の準備をせねばな」
宴……何やら嫌な予感がする。
ロウ:「……ほう?もしやわしらをデルカダール城に
招いてくれるのか?」
デル:「今さら何を言う、ロウよ。そなたたちは
ウルノーガの手先、ホメロスから命の大樹を
守った英雄ではないか」
シアンは再び気を失ったホメロスのもとへと
戻り、彼の具合を見ていた。
そこにデルカダール王が近づいてくるのが
見えたシアンは王に向かって深く頭を垂れる。
デル:「シアンよ、聞いての通りだ。そなたたちの功績を讃えるため、我が城に招待させて
ほしい」
「はい、私には勿体なきお言葉…
是非ともデルカダール城に参上させて
いただきます」
デルカダール王はそう告げるとシアンの
後ろに横たわるホメロスを悲しげな瞳でみつめるグレイグに目をやった。
王の視線に気づいたグレイグは素早くこちらへと近づいてくる。
彼は片膝をついて跪いた状態のシアンの目線に合わせるように自分も彼女の前で跪くと
重い口を開いた。
グレ:「……すまない。今は言葉が見つからぬ。
私がこれまでしてきたことにはいつか日を改めて詫びさせてくれ。……それと…」
彼はシアンの背後にいるホメロスを見て
言葉を詰まらせる。
………貴方の一挙一動全てに…この胸が酷く疼く。
だから……
「ご安心ください。この者は私がしっかり責任を持って管理いたします」
グレイグはそんなシアンの言葉に目礼をして
応えてみせると、立ち上がり、デルカダール王の
脇へと下がった。
デル:「さあ、わしらは先に城へ戻るとしよう。
シアン、デルカダール城で待っておるぞ」
こうしてデルカダール王とグレイグは
大樹の神域を去っていった。
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汐乃(プロフ) - ルビスさん» ありがとうございます!少し更新が遅めになりますが…頑張ります! (2017年9月5日 1時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
ルビス(プロフ) - シナリオ、キャラクターにとても好感が持てました続きを毎日楽しみにしています!頑張って下さい!! (2017年9月4日 3時) (レス) id: 0261b564cd (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - はちみつ恋風味さん» そのように評価していただきありがとうございます!このような駄文ですがそう言って貰えると、とても嬉しいです! (2017年8月30日 4時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ恋風味(プロフ) - 面白いです、原作に沿ってストーリーを進めている展開にドキドキしながら読ませていただいています。わたしもホメロス好きなので救っていただいて嬉しいです!更新待っています(*^_^*) (2017年8月29日 17時) (レス) id: 8fdbcc3360 (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - ポテコさん» ご指摘ありがとうございます!すぐさま訂正させていただきました! (2017年8月28日 22時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りまるま | 作成日時:2017年8月27日 10時