第18話 痛みよりも何よりも ページ20
ロウ:「グレイグよ、この者の姿を見るがよい…。
デルカダール王国の将として仮面を被りつつ
裏で魔物に魂を売っていた者の末路じゃ」
「…………。」
マル:「グレイグ、よく聞きなさい!魔物の手先として暗躍し続けていたのはシアンじゃないわ。
ホメロスだったのよ!」
2人の言っていることは正しい…でも…
蘇るは大樹の導きで見た、ホメロスとグレイグの
幼少の頃の姿。
そして唯一無二の親友を失った…あの人の
哀しい横顔。
……私は────
ホメ:「うぐっ……うっ………」
グレ:「……やはりそうだったのか。ホメロスよ…
お前ほどの男がなにゆえ魔物に………」
ああ…そんな哀しい声を、しないで。
ホメロスは何とか上半身だけでも起き上がり、
デルカダール王…もといウルノーガへと
必死に手を伸ばした。
ホメ:「っ……我が、王…よ………」
「………っ!!」
デルカダール王の手が静かに剣の柄を握るのを見た瞬間、無意識に身体が動いていた。
ザシュッ!!
マル:「っ!?」
グレ:「………っ!!」
ホメ:「なっ…………あ……」
ポタ…ポタポタ……
デル:「……………。」
「…………お待ち下さいませ、デルカダール王よ」
デルカダール王のホメロスを貫くはずだった
剣はシアンの細い肩を貫き、彼女はデルカダール王の剣を素手で一心に握り締め、王を
見上げた。
カミュ:「っあ……シアン!?」
ベロ:「シアン!!」
セー:「シアンさま…!?」
シル:「っ!シアンちゃん!?」
ロウ:「なっ…なんと…シアン!!」
今にも自分を心配して駆け寄って来る仲間を
目で制し、彼女は柔らかな笑みを浮かべて
デルカダール王を見上げた。
「…この者の罪は何よりも重いこと、
このシアン百も承知しております。
ですが、このままここで罰を下せば真の黒幕…
ウルノーガの手がかりがなくなってしまうのです。ここはこの者がすべてをさらけ出すまで
生かしておくべきかと……。
この者の尋問の際には王にも付き添ってもらう
つもりです。そこでこの者が何も語らなければ…
罰を下すとしましょう。いかがですか?」
デル:「ふむ……なるほどな」
「この者の管理は無論、この私が責任を持って
お受けさせていただきます」
デルカダール王は無言のまま、シアンの肩を貫いたままであった剣を引き抜く。
「………っ」
激しい痛みに息を漏らして何とかシアンは
耐え抜くと、王に向かって深々と頭を垂れた。
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汐乃(プロフ) - ルビスさん» ありがとうございます!少し更新が遅めになりますが…頑張ります! (2017年9月5日 1時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
ルビス(プロフ) - シナリオ、キャラクターにとても好感が持てました続きを毎日楽しみにしています!頑張って下さい!! (2017年9月4日 3時) (レス) id: 0261b564cd (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - はちみつ恋風味さん» そのように評価していただきありがとうございます!このような駄文ですがそう言って貰えると、とても嬉しいです! (2017年8月30日 4時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ恋風味(プロフ) - 面白いです、原作に沿ってストーリーを進めている展開にドキドキしながら読ませていただいています。わたしもホメロス好きなので救っていただいて嬉しいです!更新待っています(*^_^*) (2017年8月29日 17時) (レス) id: 8fdbcc3360 (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - ポテコさん» ご指摘ありがとうございます!すぐさま訂正させていただきました! (2017年8月28日 22時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りまるま | 作成日時:2017年8月27日 10時