第13話 隠しごと ページ15
暫く、始祖の森を進むとオーブを捧げる祭壇へと
続く道の途中でキャンプの跡を見つけたため、
一行は一晩休息をとって行くことにした。
焚き火を囲んで座る仲間たちの顔はやはりどこかはやるような…緊張とも見て取れる雰囲気が
見える。
刻一刻と運命の分岐点へと近づいてくるのに
シアンはひっそりと神経を研ぎ澄ませていた。
1人、焚き火を囲む輪から外れ、グレイグと共に
一時期二人旅をした時の大剣の扱い方の
稽古を思い出しながら大きく剣を振るう。
魔王の剣────
これは私の犯した罪を忘れないための戒め。
今度こそは……ベロニカも世界も、皆のことも。
すべてを守ってみせる。
カミュ:「……ずいぶん張り切ってんのな」
「はぁ、はぁ………カミュ」
こちらに近寄ってきたカミュに気づき、
シアンは剣を振るう手を止めて、大剣を地面に突き立てるとカミュに向き直る。
「皆寝ちゃった?」
カミュ:「ああ、あと起きてんのは俺とお前くらい
だぜ。シルビアのおっさんが後々うるさそうだからお前も早く寝ろよ」
「わかった。ありがと、カミュ」
カミュ:「………なぁ、シアン」
「ん?」
大剣を引き抜き、わかりやすい場所に立て掛けて
大きな伸びをするシアンにカミュは静かに
問うた。
カミュ:「お前……何か隠してるだろ」
「何か?隠してる、って………そうなの?」
カミュ:「…お前明らかに少し可笑しいだろ?
いきなり大剣なんか扱い始めた上になんだ?
その大剣は。……僅かだが邪気を感じる」
……相変わらずカミュは鋭い。
シアンは僅かに口角を上げてみせる。
58人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
汐乃(プロフ) - ルビスさん» ありがとうございます!少し更新が遅めになりますが…頑張ります! (2017年9月5日 1時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
ルビス(プロフ) - シナリオ、キャラクターにとても好感が持てました続きを毎日楽しみにしています!頑張って下さい!! (2017年9月4日 3時) (レス) id: 0261b564cd (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - はちみつ恋風味さん» そのように評価していただきありがとうございます!このような駄文ですがそう言って貰えると、とても嬉しいです! (2017年8月30日 4時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ恋風味(プロフ) - 面白いです、原作に沿ってストーリーを進めている展開にドキドキしながら読ませていただいています。わたしもホメロス好きなので救っていただいて嬉しいです!更新待っています(*^_^*) (2017年8月29日 17時) (レス) id: 8fdbcc3360 (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - ポテコさん» ご指摘ありがとうございます!すぐさま訂正させていただきました! (2017年8月28日 22時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りまるま | 作成日時:2017年8月27日 10時