第12話 再会 ページ14
ベロ:「だから無事に使命が果たせるよう
見守っていて下さいね、セニカさま!」
「……………ベロ、ニカ……」
シアンは思わず小さく掠れた声で彼女の名を
呼ぶ。すると彼女はビクッと少しだけ肩をびくつかせながらゆるゆるとこちらを振り返った。
ベロ:「あーーーーっ!シアンじゃない!
ま…まさか今の聞いて………。
っていうか、そのゴツい大剣は何よ!
アンタ今までどこに行ってたの!?」
ベロニカは今だ茫然として惚けているシアンの目の前までズンズンと歩いてくると彼女の
その惚けた顔を覗き込む。
ベロ:「ここで長老さまの話を聞いてたら急に
いなくなっちゃうんだもの!
ビックリしちゃったわよ、もう!」
「………………。」
ベロ:「?………アンタいったいどうしたの?
そんな泣きそうな顔で見られたらこっちも調子
狂っちゃうじゃない」
そこでシアンはハッと我に返る。
どうやら自分は相当情けない顔を見せてしまっていたらしい。
シアンは慌ててベロニカに笑顔を向けた。
「あ…あはは、ごめんベロニカ。
なんだかボーッとしちゃって」
ベロ:「これから大仕事するってのに、肝心の
アンタがそんなんでどうすんのよ。
しっかりしてよね、勇者さま!」
「うん……ありがとう、ベロニカ」
シル:「きゃっ!シアンちゃん!
よかった、戻ってきてたのね!?どこにもいなくて心配したんだから!」
ふと後ろから聞き慣れた声が聞こえて後ろを振り向くとラムダの長老と共に他の皆か揃っていた。
………もちろん、あの英雄の姿はない。
「…………………みんな」
シル:「…………?どうしたの、シアンちゃん。
さっきからみんなの顔をジロジロ見たりして」
「あ、あぁ…ごめんごめん、つい」
先ほど別れを告げた未来の仲間たちがどうしても脳裏を過ぎる。
カミュはそんなシアンにも構わず、彼女の肩に腕を乗せて、彼女の背に背負われた不気味な大剣を笑いながら指さす。
カミュ:「おいおい、シアン。お前ずいぶん
ぶっとんだ剣持ってるなぁ。そんなの持ってたら悪魔の子って言われてもしかたねぇぜ」
「……ふふふ、どう、カミュ似合う?
この大剣見た目はアレだけど結構性能いいんだから」
カミュ:「ハハハッ!お前らしいな。まぁいいや。
それよりも早く命の大樹に向かおうぜ。
俺もう待ちくたびれちまったよ!」
こうして一行はラムダの大聖堂から始祖の森へと抜け、命の大樹を目指した。
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汐乃(プロフ) - ルビスさん» ありがとうございます!少し更新が遅めになりますが…頑張ります! (2017年9月5日 1時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
ルビス(プロフ) - シナリオ、キャラクターにとても好感が持てました続きを毎日楽しみにしています!頑張って下さい!! (2017年9月4日 3時) (レス) id: 0261b564cd (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - はちみつ恋風味さん» そのように評価していただきありがとうございます!このような駄文ですがそう言って貰えると、とても嬉しいです! (2017年8月30日 4時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ恋風味(プロフ) - 面白いです、原作に沿ってストーリーを進めている展開にドキドキしながら読ませていただいています。わたしもホメロス好きなので救っていただいて嬉しいです!更新待っています(*^_^*) (2017年8月29日 17時) (レス) id: 8fdbcc3360 (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - ポテコさん» ご指摘ありがとうございます!すぐさま訂正させていただきました! (2017年8月28日 22時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りまるま | 作成日時:2017年8月27日 10時