狐のお面なんて外せ！2 【完】

〜エピローグ〜 ページ33

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「はぁっ…はぁっ……走れっ…ほら早くっ！」

「ま、待ってっ…」






裸足で逃げた

裸足で、逃げた



午前3時






「僕もう無理だよっ…」

「何言ってんだよ！早く！ジョングク！！」






ふらつく僕をおんぶして
ジンくんが走り出す






森の中から屋敷のほうを見ると
さっきまで僕たちがいた部屋に明かりがともってる


それを皮切りに
屋敷中の灯りが灯っていく







JK「まさかこんな遊郭みたいなところで

　またみんなに会えるなんて思わなかったよ」


TH「はははっ笑そうだね

　…でもこれで俺達自由だ」


YG「……笑えねぇよ」

HS「なんで大好きな魚様が…俺たちの敵なんだ」


JM「敵なんかじゃなかっただろ

　立場が対立してただけだよっ」









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NJ「でも魚様の一族のおかげで

　俺達は人間の体を手に入れることができたんだ

　最初は汚い人間なんかの体に

　俺達妖狐を閉じ込めやがってと思ったが

　…そのおかげで今は、憎い人間を殺して回れる……」









・









木陰に隠れて一休み
皆で身を寄せて、息を整える








JK「じゃあなんで魚様は唯一の弱点である本名を僕たちに教えたの？

　顔を見せたの？

　…まるで殺してくれって言ってるようなもんじゃないか」


YG「俺達を祓うつもりがなかったからだよ」

HS「……よくわからないね、人間って」

TH「………だから、面白い」









コソコソ喋っていると
大勢の人たちの足音が
遠くの方に聞こえてきた








SJ「わざわざお面までつけて、危険だよって知らせてやってるのに

　お面の下をのぞこうとするなんてバカな人間だよ」


JM「綺麗なもの見たさに貪欲になる人間には

　【死】っていう罰を与えないと…ふふっ」


YG「そういう人間がいるからこの世が腐ってくんだ」


HS「俺達狐をあがめる神社を作る割には矛盾してるよね

　せっかく穏やかに眠ってたって言うのに…」


NJ「やれ病気を治せだ、占いをしろだ、呪いをかけろだ」

JK「…雨を降らせろだ、店を繁盛させろだ、金を儲けさせろだ」


TH「そんなことの為に人間の体に閉じ込められたら

　神の俺達が怒らないわけないだろ」








俺達はお互いの頭に葉っぱを乗せあった








『せーのっ…』








ポンッ！







裸足で逃げた

裸足で、逃げた



午前3時







目の前にちらつく
ふわふわしたしっぽを追いかけて
俺は走る





…人間の匂い

近づいてる







遠くに逃げよう








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