第58話 ぼっけぇきょうてぇ ページ29
魚side
ユンギがお面をじりじりと上にあげながら迫ってくる
思わず床で後ずさると足首を掴まれて引っ張られた
そのまま脚の上にまたがって座ってきた彼
痛くはないけど、逃げられない
魚「あたしが死んでもいいってのか」
ユンギが、鼻が見えるあたりまで上げたお面を止めた
YG「テテがお面とって大丈夫なら俺がお面とっても大丈夫だろ。それになんでみんなが知ってて
俺だけ知らないんだ」
あのバカ達…
秘密を共有してるってのか！？
マリア「あのウソつきたちめ…」
YG「………………………………」
あたしが呟くとユンギがピタッ、と動きを止めた
カランカラン
そして勢いよくお面を投げ捨てた
マリア「………………………………」
YG「みえた？おれのかお」
見えた
大きな傷
YG「びっくりした？」
ぬぅ〜っと顔を近づけてくるユンギ
傷跡がより鮮明に見えて痛々しい
全力で走ってきたからか、額に汗をかいてる
YG「テテの顔は？綺麗だったでしょ」
自分の傷をチョンチョン触りながらくすくす笑ってる
言葉が出ない
それでも彼の顔は綺麗に変わりない
でも傷が…
痛い…
YG「狐全員が綺麗な顔をしてるわけじゃないんだよ」
魚「…傷があっても、綺麗だと思うが……」
これは事実
自分の着物の帯をスルスルとほどき始めた彼の顔にあたしは手を伸ばす
YG「……？」
マリア「きれい」
顔の傷に触れると彼の瞳が小刻みに揺れ始める
YG「顔だけじゃない。体だって傷だらけ」
魚「それがどうした。生きるのに問題があるのか」
YG「グクだってジミンだって、ジンさんだって目に見える傷を持ってる。体中傷だらけ」
魚「どうしてそうなった」
YG「狐だからだよ。狭い所に閉じ込められて厄介払いされたんだ。蹴られて殴られて、叩かれて…。それは俺だけじゃないみんなおなじ」
顔を見ると、死ぬ
ただそれだけの理由で彼らはドレイのように扱われてきた
その果てが顔の傷
一生消えない傷が、目にも見えている
なーんか
そんな壮大な傷を抱えてる彼らを目の前に
自分の顔が気に入らないからと言って隠してる自分が物凄く小さく見えた
YG「全部を見て。全部を受け入れて」
彼ら狐はすべてを知るまで、詮索をやめないだろう
そして、あたしのすべてを知るまで
あたしの事を心の底から信用することは、ない
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唐辛子マン(プロフ) - すずさん» それぞれの読者様が、自分の好きなように、自分好みに解釈してもらってはじめて唐辛子の小説は完成するのです。だから曖昧な表現が多いのです…。安心してください！天才ではないけど、これからも頑張る！！！！ (2020年6月24日 22時) (
レス) id: 6a687c873b (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子マン(プロフ) - ソルトさん» 愛してる…だと……。唐辛子、その言葉家宝にします。続編は現代版なのでこっちの小説よりスッと内容が入ってくるかと思いますのでよかったらみてね！！！！ (2020年6月24日 22時) (レス) id: 6a687c873b (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子マン(プロフ) - 1994218さん» 唐辛子、心から感謝します！！！！めちゃくちゃ小説書いててよかったと思う！！！！ (2020年6月24日 22時) (レス) id: 6a687c873b (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - ばかすぎてちゃんとした意味を理解できてないかもしれないですが、締め方も物語も素敵でおもしろかったです ！！！天才 ！！！すき！！（（これからも応援してます~！！！ (2020年6月24日 22時) (レス) id: f2d87e825b (このIDを非表示/違反報告)
ソルト - あの…唐辛子マン様…愛してます←唐突 (2020年6月24日 16時) (レス) id: 1cdd664e1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：唐辛子マン
| 作成日時：2020年5月29日 20時
