狐のお面なんて外せ！2 【完】

第56話　来る ページ25

魚side






YG「……？」






ユンギが、首を傾げた

あたしはそれを、ドキドキしながらカーテンの隙間から覗いてる




完全にあたしに気付いてる




何気なく人の雰囲気を感じて外を見てみたんだ
そしたらどうだ

狐たちが池を取り囲んで会議をしてるではないか



一体何を会議しているのか
気になってしょうがなかった



でも、勿論声が聞こえるわけでもない
表情が分かるわけでもない



だから様子をうかがう事しかできなかった





でも……








YG「………………………………」







今、あたしは確実にユンギと目が合っている
彼はあたしに気付いてる



池の中にたたずむ狐
池の水面が一切揺れてない事から
彼がほんのちょっとも動かずにあたしの事を見ていることが分かる





魚「……一体何のために…」





と、独り言をつぶやいた瞬間






ユンギが走った





魚「っ…」





池の中から物凄いスピードで出てきて
あたしの方を向いたまま一直線に別館の方に走ってくる








・








来る







・







絶対にあたしの所に向かってきている



慌ててカーテンを閉めて自分の部屋を見渡す









ガタン








もう近づいて来てる



焦ったあたしは部屋の真ん中でウロチョロ

別にあたしが悪いことをしているわけでもない
別に見ていただけだ


でもユンギがジョングクにすがるあの姿
あれは絶対に秘密の事、だろう


ユンギからしたらあれは自分とジョングク
二人だけの秘密になるはずの事だったなのに









バタン
バタバタ…









魚「来る…」







あたしがその『秘密』を見てしまったもんだから
彼は今、あたしの所に向かってきている








バタバタ…







物凄い速さで足音が近づいて来てる


護衛人は…？
なぜ誰も反応してない…？






あたしはとりあえず
ありきたりだがクローゼットの中に入った
自分の着物をかき分けて奥の方に隠れる





魚「はぁ……」





そうだ
きっと狐たちは護衛人がどのルートでいつどのようにして巡回してるのか
把握しているんだ

だから誰にもバレずに会議をしてた









コンコン

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