狐のお面なんて外せ！2 【完】

第54話　言えない…　JK ページ23

ジョングクside





YG「グク待て」
JK「？」





池から離れようと一歩歩き出すと
ユンギくんが池の向こう側から俺をジーッと見てくる

他の皆はとぼとぼと帰って行ってしまう…





JK「どうしたんですか？」
YG「…………………………」





ユンギくんは俺の後ろの、帰っていく皆を見て
俺達二人以外誰もいなくなったのを確認してから口を開いた








YG「…教えて？」
JK「………………………」







…やっぱり知りたかったんだ






YG「魚様の本名何て言うんだ？」






でも…





JK「内緒」
YG「なんで？」
JK「魚様にそう言われた。秘密にしろって」
YG「教えてよ」





池のふちギリギリに立ったユンギくんが見つめてくる

…でも、約束だから言えない俺





JK「言えないよ…」
YG「教えろよ…」
JK「ダメ。俺が魚様に叱られちゃう…」
YG「じゃあ俺だけ仲間外れなの？」
JK「そんなことない！みんな仲間だよ！」
YG「でも俺だけ知らないだろ？」
JK「そうだけど…。ユンギくんも魚様に聞いてみたら…」
YG「どうやって聞いた？」






言えない

誰よりも魚様の事を大切に扱ってるのが
目に見えてわかるユンギくんに魚様にあんなことした何て言えない

それこそ今度は俺が仲間外れになる





JK「いえな…」
YG「なんで」





うつむきかけた俺の顔を上げさせる
威圧感のあるユンギくんの声…




YG「なんで」
JK「それは…」
YG「なに」
JK「俺はただ…」
YG「早く言えよ護衛人来ちゃうだろ」




慌てて空を見上げる
もう月があんな所まで来てる…

早く戻らないと…




JK「でも…」









じゃぷっ









鯉がはねた








と、思った









・









YG「ジョングクお願い教えて…？」









・









JK「はっ……ユンギく、ん？」








思わず息をのんだ



ユンギくんが池の中に片足を突っ込んだかと思ったら
真っすぐ俺を見たままこっちに向かってくる


月の光に照らされて池の中の鯉が大慌てして逃げてるのが見える








じゃぷっ
じゃぷっ…





水の波が俺の脚元に押し寄せてくる






YG「ジョングク…？」






狐のお面をつけたユンギくんが俺に向かって
池の水を踏みつぶしながら歩いてくる





JK「ユンギくんそんな…危ないよ！」
YG「お願いジョングク」





ユンギくんが俺に向かって、白い指を伸ばしてきた

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