狐のお面なんて外せ！2 【完】

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YG「はぁ…」
女「お？今度はため息？なになに！乗ってきたじゃない！」



女がだらしなく着物の裾を割って姿勢を崩した
もう完全に酔ってる

暴れだしたり
触ろうとして来ないうちに強制退場してもらわないと…








女「魚ってさ、一体どんな奴なんだい？」








俺は女に視線を向けた
暖簾のせいではっきりとは見えないけど
ニヤついてるのが分かる


この女わざと俺に聞いたんだ




女「魚様ってのは、ここの主だろう？いつも顔に覆いをつけて遊郭を監視して回ってる…」
YG「………」
女「女客たちはみんなアイツの事噂してんだよ…。『あんなに狐様たちを囲って、一体裏でなにしてんだろうねぇ』ってさ！笑」









YG「喋るなよ」









ケラケラ笑う女に腹が立ちすぎて
思わず喋ってた

しかも暴言に近いものを…



女「何かされてんだね？」



女は嬉しそうにそう言うと
座布団から降りてずるずると畳の上を這う

ほんのちょっとトラウマがよみがえって来て怖かったけど
今は怒りの方が勝った


魚様をバカにするのは許さない





女「ねぇ……なにしてんの？いっつも裏で」





女は暖簾に触れて来た

それを見たのか察したのか、護衛人さんがほんの少しだけ動いた
でも俺がストップをかけるか、助けを求めるまで護衛人さんは座敷に入って来ない




俺もずるずると座布団から降りてのれんに近づく



女「そうそう…もっとこっちへ来て…。魚様はあんたに一体何をしてるんだい」
YG「………」
女「ただただ稼がされてるだけ？それとも何かの相手をさせられてんの？」
YG「………」



俺はのれんぎりぎりに顔を近づけた
女はとてもきれいな顔をしていた

指をどんどん暖簾に食い込ませて来てる






女「あいつはあんたたちの顔、どうせ見てるんだろう？笑」






女がのれんに指を入れてきた








俺の縄張りに








入ってくるなよ








魚様をバカにしたら








痛い目みるぞ









女「きゃあああああっ！！！！」
YG「っ…」




お面を鼻下まであげて
女の指に思いっきり噛みついてやった

そしたら護衛人さんが飛んで座敷に入ってきた


女が無理やり指を引っこ抜いた
まずい……



護衛人「ど、どうした！！！！」
YG「ぺっ」
女「この狐！私を噛んだの！！！」








YG「もう嫌い。来ないで」








あーあ
また最下位だ、俺

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