狐のお面なんて外せ！

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魚「あたしのは別にいいんだよ。あんたさー、着物持ってないからそれずっと着てるんだろ？」
使用人女「は、はい…」
魚「別にいいよ。何にも怒ってないし」
使用人女「本当ですか…？」
魚「ホントホント！逆にあたしがぶつかっちゃったからさ…ごめんね？」
使用人女「いやそんな魚様が謝ることなんて…」






ほーら
魚様は優しい…





魚「どうする？着物、新しいの欲しい？」
使用人女「ええっ！？」
魚「欲しくないの？たまにはいいじゃん〜。あ、そうだ。それにさあんた滅茶苦茶仕事早いよね！昇格しちゃう？」
使用人女「ええええっ！？」
魚「今日見た中で一番働いてたじゃん！」
使用人女「………それは…」





しょんぼり顔の使用人さん
褒められてるのにどうしてだろう…









魚「で、誰がお前をいじめてるんだ。言ってみろ」









冷たい声
さっきの朗らかな声から一変して地獄のような声



いじめ
それはこの遊郭でいう規則違反…









魚「…誰が規則を破ってる」
使用人女「そ、それは……」









TH「炊事班の班長だよ〜」
魚「おーーーーーいテヒョンーーーー」









俺、言い逃げならぬ『言い隠れ』









俺は知ってた
いつか言ってやろうと思ってた
いいタイミング〜




魚「はぁ…。あんたもう帰りな。お疲れ様」
使用人女「は、はい…」




おずおずと引き下がった使用人さん
隠れてる俺に飛び上がってびっくりして逃げてった笑







魚「なに来てんだよ」






浴場から魚様が呼び掛けてくる
俺は自分が抱えてる札束を思い出して浴場のドアに駆け寄って

そのまま大きく開いた


顔が見れる！！！！








TH「沢山お金もらえた！！！！」
魚「やったじゃん」







凄い桶で顔隠してる
ちぇっ





ひろーい浴槽の一番端っこ
そこで小っちゃくなって俺の方を向いてる





魚「喋ってないだろうね」






あ、目だけ出した






TH「勿論！ちょっと頷いたけど…これは禁止じゃないよね？」
魚「うん。喋っちゃいけないのと、簡単に寝ちゃいけないってのが禁止」
TH「それなら…よかった………」





顔を隠すために持ってる桶を掴んでる魚様の手
そして肩にかかる濡れた黒髪…






俺は札束を棚に押し込んで









バタン









浴場に入って






ドアを後ろ手に閉めた

第38話　きれいなおさかな　TH→←・

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