第27話 衝動、衝動、衝動、衝動、地獄 JIN ページ32
ソクジンside
カラン
カラン
カラン…
真っ黒な独房の柵が、ちらちらと光った
外からは下駄の音が聞こえてくる
YG「んん……んん！！」
JK「んーっ！！！！」
音が聞こえ始めると、目の前の暗闇から皆の唸り声が聞こえてきた
JIN「…皆喋れないのか？」
TH「んっ…んん…」
JM「ん…」
俺以外の全員はさるぐつわか何かされてるのか…？
なんで俺だけ口をふさがれてないんだ
チリン…
チリン……
この鈴の音は……
JIN「……魚様…？」
両手を縛られた俺は壁に背中を預けたまま呟いた
下駄の音と鈴の音…
それにゆらゆら揺れる光が段々と近づいてくる
ぼやっ…とその明かりが近づいてくると
目の前の皆が見えた
JIN「…っ…なんで…？」
みんなは牢屋の外にいた
でも、全員が俺の方を向いて柵に縛り付けられている
カラン…
遊女「………ふ〜っ…」
現れたのはろうそく一本を持った遊女
魚様じゃなかった
赤い着物一枚に床に垂れた腰ひも
つややかな黒髪が肩にかかってる遊女
JIN「…あなたは…？」
遊女「顔を見に来たのさ！なぁ〜んだ…ホントにしっかり縛られてるじゃないか〜」
化粧のしていないすっぴんでにや〜っと笑う彼女
その質素な顔がろうそくの光に照らされて妙に怖い…
JIN「か、顔って……」
遊女「あんたたちの顔さ！わかるだろ？それぐらい…」
そう言った彼女はろうそくを床に置いて着物の袖を探り始める
遊女「…ほらぁ。出してあげるからさぁ…その顔見せておくれよ！！」
俺と目があった瞬間にあわただしく独房の鍵を開け始める遊女
JIN「やめてください！お面何かとったらあなたは…」
遊女「迷信だろ？そんなもの」
JIN「迷信じゃない！本当の事だ！」
遊女「ハイハイ分かってるってばぁ…」
乱暴に独房の柵を開け放った遊女が
一直線に俺の目の前に歩いてくる
逃げようと思ったが、俺もまた、床の杭に縄をつなげられていた
遊女「………ここの遊郭、規則が厳しいのは知ってるだろう？」
JIN「…まぁ」
遊女「前の主人は好き勝手にやらせてくれてたのに…今じゃ『寝る』ことも許されないんだ」
JIN「それは俺達の身を守ろうとしているだけで………」
遊女「……寂しいの」
そう言った彼女は
とても儚くて、美しい女だった
遊女「…キスだけ、キスだけでいいの。お願い狐様」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 727人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
唐辛子マン(プロフ) - りんごさん» コメントありがとう！！！！唐辛子も結構この作品好きになってきたかもしれない笑これからも待っていてくれ！！！！そして敬語なんて排除していけ！唐辛子に敬語使うなら赤ちゃんに敬語使った方がいい！！！！ (2020年5月29日 12時) (
レス) id: 6a687c873b (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 唐辛子マンさん、いつもおもしろいもの読ましてくれてありがとうございます。ふぁんです。この作品が1番好きです。テテさん美味しいとこ持っていきますね...ムフフ。これからも楽しみにしてます！ (2020年5月29日 11時) (レス) id: a55cab64a7 (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子マン(プロフ) - すいさん» ユンギさんホント好き…でもなぜかテテが最初にかましてしまった…書いてる唐辛子自身も戸惑っている（？） (2020年5月29日 11時) (レス) id: 6a687c873b (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子マン(プロフ) - シエルさん» ありがとう！！！！初めて言われたよ… (2020年5月29日 11時) (レス) id: 6a687c873b (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子マン(プロフ) - sports drinkさん» 最初との雰囲気差でちょっと詐欺してしまっている気分笑 (2020年5月29日 11時) (レス) id: 6a687c873b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：唐辛子マン
| 作成日時：2020年5月19日 0時
