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別日。
「J、お昼食べた？」
「…いや。まだ。」
「キリがいいところで行こうよ。」
「おっけ、あと五分、待って。」
「はいよ」
最近少し余裕がでてきたな、なんて話してるそばから新規案件を渡され、ああだんだん仕事を任されるようになってきたのか。などと思いつつ。
それはそれとして、
「ったく、勘弁してほしいよ、新規2件とか。俺もう手一杯。」
「…まあそういうもんだよ。俺も色々キツイ。」
お互い愚痴を零しながら歩く。
んで話しながらつい余所見をしてたらしい。
距離が取れてなかったみたいで、結構強く、向かいから来た人にぶつかってしまった。
「…申し訳ありません。」
「いえいえ、こっちこそすみません、大丈夫？」
「大丈夫です、お気になさらず。」
彼女はそう言いながら、目にも留まらぬ速さで書類を拾って立ち上がる。
一礼して去るまで10秒ちょっと。
「立ち上がるのはぇぇ…」
「めっちゃ美人…」
「え、そっち？」
「え？」
「いや…確かに美人だったけどさ。」
目がちょっとキツかったけど、こう、思わず振り返っちゃう感じのオーラ。
「…確か経理部じゃなかったっけ。」
経理部…と言われてピンときた。
「…あれが進藤さんか。」
俺がそういうと、松潤にも思い当たる節があったらしく、頷いた。
「変わり者ってよく聞くけど、確かに美人だよね。」
美人ではあったけど、正直タイプじゃないなと。
結局違う話になって、それで気付いたら昼飯の話題に変わって。
その件はそのまま忘れた。
食堂で、松潤と話していたらヒョイと現れたのが。
大学時代の友達(先輩とも言う)、翔ちゃんだった。
俺は、うん、不真面目で、対照的に翔ちゃんは優しかったから、先輩っていうより翔ちゃんの方がしっくりきて。
本人も何も言わないもんだから、勝手にそう呼んでた。
ちなみに潤くんにとっては高校時代の先輩で。
高校の時はいつも一緒にいたと翔ちゃんは言うけど、本人は毎回お茶を濁してる。黒歴史でもあるのだろうか。
「よ、俺も席いい？」
「あれ翔ちゃん、相葉さん一緒じゃないの。」
そう言うと苦笑いした。
「雅紀は、部長に捕まってる、〆切が近いらしい」
「まったく、毎回これじゃん。」
「相葉くんの良さは…仕事の速さじゃないからね。」
松潤が笑いながら言う。
「そうなんだよなー。」
潤はよく分かってるなってばかりに笑いながら頷いた。
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作者名：Setsu-na | 作成日時：2022年11月19日 1時
