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side 樹
ｻﾞｰ
ｻﾞｰ
波打ち際でしゃがんで、大我を膝の上に乗っけて。
「すごいね、水が綺麗だ」
「とーめい」
大我はそう言うと、「じゅり」と俺の名前を呼んだ。
「ちゃぷちゃぷ、したい」
「…いいよ。じゃあ靴脱ごっか」
マジックテープをそっと剥がす。
きっと、事故のあとに買った靴なのだろう。
靴の裏は白いままで、大我の小さな足を守っていた。
靴下も脱がせたら、少しずつ両足を砂の上へ下ろす。
動かないのだから。
当然、ちゃぷちゃぷ、とはいかない。
なんの抵抗もなく、大我の両足は、
静かに透明な水を貫いていく。
「たぃがね、わかんないの」
「…お水が、足に当たってること？」
「ぅん。」
小さなその子は、俺の方に顔を向けると
嬉しそうに笑った。
まるで、道端に可憐な花が咲いているのを、見つけたときのように。
「でも、わかんなくても、いいんだって。
うごかなくても いいんだって。
たいがは、くるまいす があるから、
パパとじゅりもいるから、
あえないけど、ママも おそら にいるから」
「大我…っ、へへっ」
大我の細い足を、優しく撫でる。
寄せた波をすくって、足にかけてあげた。
「そうだよ、大我。えらいね、いい子だよ」
「んふ！…ぁ！ぱぱぁ！！」
もっともっと明るくなる大我の顔。
視線の先には、ゆっくりとこちらへ歩いてくる北斗がいた。
「パパもちょっとだけ、あそぼうかな」
「やったぁ！だっこーっ」
「ハハッ！やっぱパパには勝てねぇな〜俺」
それでも、よかった。
北斗は、愛おしそうにわが子を抱きしめて
大我の頬にキスをする。
「海なんて、もうしばらく来てなかったね」
ごめんね、と北斗。
「ぱぱ！パパもちゃぷちゃぷしよ？」
「…うんっ、3人でしよう」
「よぉーし、俺も靴脱ごっと」
北斗と目が合う。
「大我、頑張り屋さんだね。
やっぱり北斗にそっくり」
笑いかけてくれたその顔は、
道端に咲く 可憐な花のようだった。
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あーちゃん(プロフ) - ただの阿部担さん» 代表して私から返信させていただきます！！最後までご愛読いただきありがとうございました(^^*)永く愛していただけると嬉しいです！ありがとうございました！ (2021年5月14日 21時) (
レス) id: 12865d1db9 (このIDを非表示/違反報告)
ただの阿部担(プロフ) - 完結おめでとうございます！更新通知が届くたび跳び跳ねて喜ぶほど楽しみに読んでいました。完結されるのはとても寂しいですが、また読みに来ようと思います。最後に、こんな神作品を書いてくださりありがとうございました！ (2021年5月14日 18時) (レス) id: 341728400e (このIDを非表示/違反報告)
晴(プロフ) - まりもさん» コメントありがとうございます！ほぼ毎日更新ですので、ぜひ完結までお付き合いよろしくお願いします(^^) (2021年5月5日 20時) (レス) id: 924db004c7 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - 早く続きが読みたい〜 (2021年5月5日 20時) (レス) id: 70b03b37e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：晴とあーちゃん
x他1人 | 作成日時：2021年4月24日 1時
