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side 北斗
「…轢き逃げを犯す人の心理は、3つあります。
加害者が自分だとバレたくない。
逃げ切れるのではないかと思う。
パニックに陥り、そのストレスから逃れようと衝動的に逃げる。
……大抵は、このどれかが当てはまります」
「そんなの…、っ、人間じゃない……」
心の奥が、1枚の紙をくしゃくしゃに丸めたように潰れる感じがした。
頭が痛む。出来ることなら忘れたかった。
「大我が……足が痛いって泣いてた。
だけど俺は目が見えなくて、どこにいるかも分からなくて…
そばにいってやれなかった。」
彼女は、即死だった。
暗闇の中で、大我の泣き叫ぶのは分かったけれど
彼女の声は、聴こえなかった。
「…俺も助けられなかったから、……人間じゃないよ」
森本先生は何度も頭を横に振る。
でも、でも…俺はしおりちゃんを死なせてしまった
大切な、大切なひと
俺を救ってくれたひと
この瞬間も心から、愛しているひと
「…っ、はぁっ…んぐっ、…はぁっ、」
「北斗さん、苦しいですね、
一緒に深呼吸しましょう」
上手く息が吸えなかった。
俺は、生き残ってしまった
大我と、忘れられない記憶と一緒に
「……はぁっ、
犯人が目の前に、…表れたら、
俺、
きっと＿＿＿」
視界が一瞬、暗闇に包まれた
震える肩に、森本先生の大きな手が被さる
「うん。…うん、
北斗さん、よく頑張っていますよ
今日はここまでにしましょうか。
ゆっくり、吸って、吐いて。」
深呼吸をして
徐々に徐々に、気持ちを落ち着かせた。
沢山泣いたからだろうか、
義眼をはめた瞼の奥が 少し痛む。
「………友人、って言うのは…、
大我に怪我をさせてしまった時に、助けてくれた人なんです
同じ歳で、近くに住んでて、…退院の時まで連絡をくれて気にかけてくれた。」
今日だって、樹が大我を預かると言ってくれた。
「俺は、弱いから…
こんなやつが樹みたいな、素敵な人と一緒に…いていいわけないんです」
森本先生は、穏やかに笑った。
よく頑張っていると、褒めてくれた。
助けの手は、助けたいと思う人にこそ差し伸べられるのだ、と。
家に帰ると、玄関で樹が出迎えてくれた。
「大我はっ」
「リビングでお昼寝中。大丈夫だよ」
「よかった、…」
樹は、俺の泣き腫らした顔を何も言わなかった。
ただじっと見つめられて。
「偉かったね、ほくと」
「……ぅぅん」
そんな会話を交わした気がする。
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あーちゃん(プロフ) - ただの阿部担さん» 代表して私から返信させていただきます！！最後までご愛読いただきありがとうございました(^^*)永く愛していただけると嬉しいです！ありがとうございました！ (2021年5月14日 21時) (
レス) id: 12865d1db9 (このIDを非表示/違反報告)
ただの阿部担(プロフ) - 完結おめでとうございます！更新通知が届くたび跳び跳ねて喜ぶほど楽しみに読んでいました。完結されるのはとても寂しいですが、また読みに来ようと思います。最後に、こんな神作品を書いてくださりありがとうございました！ (2021年5月14日 18時) (レス) id: 341728400e (このIDを非表示/違反報告)
晴(プロフ) - まりもさん» コメントありがとうございます！ほぼ毎日更新ですので、ぜひ完結までお付き合いよろしくお願いします(^^) (2021年5月5日 20時) (レス) id: 924db004c7 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - 早く続きが読みたい〜 (2021年5月5日 20時) (レス) id: 70b03b37e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：晴とあーちゃん
x他1人 | 作成日時：2021年4月24日 1時
